なるたけ遠くに逃避計画

THE ULTIMATE ESCAPE PLAN

月間音楽録:2024年7月

 

いつもより自由に書きます。

 

 

何をしたか?

月の頭にGEZANとZAZEN BOYSのツーマンに行ってきた(ライブレポ)。本番二日前くらいから予習で聴きまくる時間からずっと楽しかった。かなり好き好き大好きなバンド二組をまさか一緒に楽しめるとは。あまりにも一瞬の出来事だった。あの瞬間の「Z」のささくれ具合は今でも網膜と鼓膜に焼き付いている。Zepp DiverCityから私は、そんな凄まじい演奏の思い出と、コロナを持ち帰ってきた。泣

コロナが治った(咳は今もなお止まらない)あとは、いつも通り音楽を聴く。中旬は結構な時間DTMと格闘していたのでいつもよりは聴いていない。いつまでたっても曲が出来ないので流石に今月無理矢理どうにかしよう。音楽本も結構読んだかな?確認したらそんな読んでなかった。『メタルとパンクの相関関係』『社会思想としてのクラシック音楽』『ヱクリヲ vol.7』『ギター・マガジン 2024年7月号』くらい。

下旬はTzadikマラソン(「New Japan」シリーズ)も始めた。まだ5枚目までしか聴いてないけど、色んなものと並行させながらゆっくり進めようと思う。待ちに待った長谷川白紙の新譜『魔法学校』もついに出た。いっぱいね~いっぱいね~聴いた。そして新しく買ったイヤホンのE3000(モコモコした感じに慣れてもはやフラットに聴こえる)により、リスニングが加速。長谷川白紙はもちろん、Meshuggah、SUMAC、サブスク解禁されたROSSOとかよく聴いた。BLANKEY JET CITYは今月チェックしよう。

26~28日はフジロック配信を観た。楽しかった。勉強になった。

7月の再生時間トップアーティストはこんな感じだった。

 

7月の再生時間トップアーティスト(stats.fmで計測)

 

総再生時間はコロナ罹患+DTMが影響して先月より3,000分ほど減っていた。新しく聴いたアルバムの枚数も113枚しかない。今までがむやみやたらに聴きすぎだったとも思うので、しばらくはこのくらいのペースでちょうどいいかも。

新譜の風をなぞりんぐる

面白かった新譜をぺたぺた。Songwhipが息絶えたため、リンクは全てSpotifyのものを貼っていく。71枚くらいしかチェックできなかったけど。

Sababa 5 & Yurika『Kokoro - こころ』

KhruangbinやYin Yin、Glass Beams辺りと同系統のネオ・サイケデリア~ファンクをやっているイスラエルのバンド、Sababa 5による日本人シンガーYurika Hanashimaとのコラボ作。中東と日本のエスニック加減が絶妙な形で共鳴し、他に類を見ないオリエンタル・ファンク・歌謡が生まれている。シティ・ポップにありそうな感じの歌詞がサウンドに対して浮いて聞こえるのも面白い(M5)。

Macaroom『Burning Chrome

日本のエレクトロニカ・ユニットの5th。全体的にコロコロしていて可愛らしくかつ無駄が削ぎ落された、非常に魅力的なサウンド。そして終始テンションを保ちながら淡々とリズミカルに呟き歌われる、ディストピアSF風に描かれた現代社会への疎外感と僅かな希望。リリース前の記事に「現代音楽の手法と歌詞音響理論をポップスに落とし込む」と書かれており、なんだなんだと期待していたが、具体的にどうなっているのかはよく分からず。ただ、楽しいのは確か。高度な技術?はあくまでも手段の域に留まっていて、結果としてとても聴きやすいポップでアンビエントなアルバムになっている。「凄いことを簡単に見せる」のが一番凄いって誰かが言ってた。

Sissy Spacek『Diaphanous』

アメリカの女優(しかもまだ存命)の名前をそのまま引っ張ってきた凶悪ノイズ・グラインド・バンド。28曲12分、ギャンギャンに駆け抜ける爆速キチ嵐。ずっとうるせ~~~!!!!!!知らね~~~~!!!!Sissy Spa
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ED​/​MCL, Ibisazi Designers Nyabyo『Mosh

Blueskyにて情報を得た。アイオワ州のエレクトロ系?アーティスト・ED/MCLと、ルワンダのアート集団ことIbisazi Designers NyabyoのコラボEP。エクスペリメンタルなブレイクコアこちらも刺激的で超クレイジーうねる有刺鉄線の如きブレイクビーツの上でどこかの民族音楽由来なのかも分からない呪術的なボーカルがびよんびよん。ヘヴィなギターもある。

トクマルシューゴ『Song Symbiosis』

東京出身SSWの通算7枚目フル。遊び心とポップでありながら幅広い音楽性で40分18曲の密度。数曲はインタールードになっていて、そのクオリティも高い。最初から最後まで飽きないアルバム。フジロックのライブも良かった。

Ålborg『The Way I See You』

インディー・ロック~フォーク、チェンバー・ポップ・バンドの1st。バンド名の読み方は「オールボー」。再生ボタンを押して聴こえてくるのは、Ride『Nowhere』みたいな海ジャケがまさに似合う優しい英語の歌。言われなければ気づかないかもしれないが、これは日本のバンド。カクバリズムからデビューした5人組で、珍しくトロンボーンがいる。牧歌的でのどかな雰囲気が良い。最近はアヴァンギャルドで複雑な音楽ばかり聴いていたので、真っ直ぐな歌詞とサウンドが一層気持ちよく響いた。しっとりしとやかだった一曲目《Same Page》が快活に弾けるロックサウンドでリプライズされて締め、という構成も素敵!

長谷川白紙『魔法学校』

待望の3rdフル。『エアにに』までの、ポップスの範疇で音韻を詰め込む方向性を踏襲しつつ、想像され得る単一の身体=記号性から自身の声を、それ自体を変調させ無秩序に散りばめることによって解放するという新たな試みを実践。加えて、静と動の極端なコントラスト、テンポやピッチの流動的な変化、そして何より多様な発声法も音楽に有機的な色彩を与えている。音韻だけでなく音響にもマキシマリズムが反映され、より一層過剰で曖昧な世界観が造り出されている。このアルバムを聴くことは、まさに「口の花火」と言い表すべきプリミティヴな混乱を翻訳しないまま視覚的に体験することに他ならないのではないか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

LAUSBUB『Romp』

北海道発テクノ・ポップ・デュオの1st。ようやく。IDMアンビエント・ポップなサウンド。《Telefon》を筆頭にニュー・ウェイヴの影響もチラホラ。本格的なトラックを透明感のあるボーカルが結局ポップにまとめている。ほどよい高揚感と低音強めで暖かいウェットな音色のおかげで聴き疲れせず没入できる。

トリプルファイヤー『Extra』

東京発ポスト・パンク~ファンク・バンド。7月リリースの中では最もファンキーだと思う。トリプルファイヤーってここまでファンクしてたっけ。タイトタイトタイトのシューリンガンなバンドサウンドと弱気で腑抜けたボーカルの温度差は相変わらず。シニカルな世界観も健在。《サクセス》で三連符とサイケなギターにウットリしていたら、歌詞に刺されて現実に引き戻された。《ユニバーサルカルマ》《シルバースタッフ》も好き。

今月のわからん

面白い作品もあれば、つまらない作品もある。その間に「よくわからん」作品が少なからず存在することを忘れてはいけない。ここでは私が世間の評価に対して相容れなかった、または苦手だった作品を記録する。価値観のアーカイブ

新譜のわからん筆頭は、Cigarettes After Sex『X's』アメリカのドリーム・ポップ/アンビエント・ポップ・バンドの4thフル。ワンパターンすぎるサウンド、作り笑顔みたいな堅苦しいメロディ、虚無感たっぷりの展開。これらをメタに楽しめる何かがあればひっくり返るが、何もない。理解を助けるヒントは…バンド名の通りセックスをして、そのあとタバコを吸ってみること。辿り着けそうもない。

他にはこんなのがわからん。

  • Cassandra Jenkins『My Light, My Destroyer』(凡)
  • Scarcity『The Promise of Rain』(アラームみたいなギターがうるさい)
  • Graphic Nature『Who Are You When No One Is Watching?』(凡)
  • Denzel Curry『King of the Mischievous South Vol. 2』(悪くはないけど)
  • Porter Robinson『SMILE! :D』(濃口。ハイパー・ポップの理解不足)

続いて旧譜のわからん筆頭は、フジロックでも唯一ピンと来なかったKing Kruleの2023年作『Space Heavy』。悪い感触ではない、でも平均よりちょっと良いくらい。どんよりダークな上辺の雰囲気までしか楽しめない。どこを聴けばいいのか。ジャズ要素も中途半端で、ボーカルも単調。歌詞を読むべきなのか。

他には…

  • Autechre『Incunabula』(普通のテクノ)
  • High on Fire『The Art of Self Defense』(飽きる)

くらいです。

 

これらの「わからん」を放置し続けないで、自分の中で納得いく評価を付けられるように色んな視点を得ていきたい。とりあえずKing Kruleは早めにケリをつけたいので、過去作とサウスロンドンのポスト・パンクを漁ってみる。

 

オチは、ない