音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

月間音楽録:2024年2月

 

(この記事は書きかけです) 2024/03/03書き終わった!

 

おはようございます。

 

8時起き、早起き成功。卵かけご飯。

 

10時から平沢進のライブチケットの一般販売が始まるということで、朝からそれの準備をしていた。半年以上前に同じくチケットを買おうとしたところ、一日遅かったらしく見事に売り切れとなり後悔した経験がある。SNS上には誇張抜きに「秒で」販売終了になったという言及もみられたため、今回は販売開始ちょうどにチケットを買うことにした。相当な争奪戦らしいので、頑張る。

 

チケットはイープラス、ローチケ、チケットぴあの3種類のサイトから買える。私はこれまでによく使ってきたという理由だけでイープラスを選んだ。どのサイトを選ぶか、この時点で戦いは始まっていたのかもしれないが…。用いるデバイスは運動半径の小さいスマホGoogle Chromeを開き、しっかりとアクセス。本当にページが合っているかを何度も確認。そして画面右上の「9:59」を凝視。READY…

 

「10:00」!すかさずリロードボタンを押す。ぐるぐる。あれ?ぐるぐるが長い…。読み込みは20秒ほどかかり、申込み画面に切り替わった。ここで空席情報が見えたのだが、既に「残りわずか」を意味する△が表示されていた。ヒエッ。このままではまずい。焦りながらポチポチと情報を入れ、再びぐるぐる。またもや長い。最後に決算方法を入力して、ぐるぐる。

 

時間を見るとまだ「10:00」のまま。この勝負、もらった!!!

 

 

 

結果、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメでした!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

ということで、ここからは先月聴いた音楽についてまとめていく。

 

 

はじめに

初めて新譜を漁った1月を経て、さらに多くの新譜を探し聴きまくった2月。その数およそ300枚。おかげで旧譜はほとんど聴いていないが、その分現在に生きる数多の音楽たちに巡り合えた。ありがとう!!!!!!

月間ベスト新譜

では。新譜のベスト9が。こちら。

 

2月の新譜個人的TOP9(Topstersで作成)

 

日本3枚、アメリカ3枚、ブラジル、イスラエルノルウェー1枚ずつ。選出基準については、とにかく琴線に触れたもの。そして、今現在の私の気分も強く反映されている。ちょっと前に1月のTOP9を聴き返した際には、200枚以上から選んだはずのSara Parigi『Stanza』を「そんなに良くないな」と思ったりした。結局のところ音楽の評価はその時その時の感情に左右されてしまう(できるだけ客観的に判断しようと努めてはいるが)。まあ、ゆるく眺めて欲しい。

以下にそれぞれの詳細を語っていく。前回と同じく順位付けはしていない。

 

YUNOWA - Phantom

京都発スリーピースの1st。ポスト・パンクとダブの要素が色濃く表れたグルーヴィな演奏、どこかシニカルで掴みどころのない歌唱。Lo-Fi気味のサウンドも世界観にピッタリだ。緊張と緩和を自由自在に操縦し、滑らかなダイナミズムを作るときもあれば不安定に分裂したりもする。何気にメロディも良い。

おすすめ:ヒカラビ、ファントム

ヨダアミ - ONSIGHT

愛知出身の即興音楽家/ボイスパフォーマー。関連アーティストにピグミー族が出てくる*1のも納得。やっぱり声は至上の楽器だと思った。翻訳されて身体性を失うことなく、原始的な感情を最も直接に表現できる楽器。これだけ無邪気に豊かな自己表現が出来たらどんなに楽しいだろうかと心底羨ましい!カッコいい!

おすすめ:飛行物体

意識 - 意識しすぎるのもどうなん

大阪を拠点に活動するSSWの怪作。何気ないジャケットに惹かれて聴いてみたら予想外の音が飛んできた。弾き語りのフォークを軸にパンク、ラップ、スカムの方向に爆発しまくる。出音そのものだけでなく歌詞の威力も凄まじい。笑わせようとかそういうのではないタイプのユーモアもある。ボカスカ暴れた後のしっとりバラードは刺さる。

おすすめ:上を向いて歩くな、火星の人、最高の夜

Sensei Bonus - One Punch Eraser

情報が少ないロサンゼルス出身のデュオによる1st。僅か34分間、濃密な催眠音楽の旅に出かけよう。統一されたコンセプトの下に書かれた曲は滑らかに繋がり大きな幾何学模様を描いている。3:4ポリリズム、ミニマルな反復、コンプ感の強いドラム、サイケな音像、陶酔感とはこういうもの。シンセの使い方も面白い。

おすすめ:全部

Mk.gee - Two Star & The Dream Police

ニュージャージー出身のSSWによる1st。最初聴いたときは全然ピンと来なかったが、二度三度聴くと馴染んできた。ふにゃふにゃしていたり、音が粗くブツ切りされたり、時に激しく歪んだり、取り留めのないぼやけた音風景が続く。エフェクト越しのボーカルには手が届かない。浮遊感ある立体的なLo-Fiサウンドがもたらす夢心地。

《DNM》は反復するドラムの高揚感が《I’m waiting for the day》ぽくて良い。

おすすめ:Are You Looking Up、DNM、I Want

Brittany Howard - What Now

アラバマのSSWによる2nd。上のMk.geeに少し似ていてサイケ風味ではあるもののこちらはファンクなどブラック・ミュージックの要素が強く、より音の輪郭が硬質でハッキリしている。粒立ちの良い楽器陣と圧倒的なボーカルがつくる世界最高峰のグルーヴ。アンサンブルからここぞといったタイミングで飛び出してくる音も全部気持ちE。

派手にサイドチェインを掛けて4つ打ちダンサブルを強調する一方、音数を削ぎ落し空白を作り落ち着く。静と動のレンジ!シームレスに繋げている構成も良い。

おすすめ:What Now、Another Day、Power to Undo

Fay Wildhagen - Let’s keep it in the family

ノルウェーのSSW、5th。すんと入ってくる透明感のあるドリーム・ポップ。上品なメロディとアレンジが素敵。言葉尻が空にふわっと消えていく雰囲気。もはやアンセム的な勢いのある《ohmygod》、スムーズに7拍子へ移る《vár》が特に好き。とはいってもどの曲もキャッチーだ。一番凄かったのはクローザー《(let's keep it in the family)》。2音だけで6度跳躍を繰り返し最後まで解決しないサビ。凄い。

おすすめ:ohmygod、vár、(let's keep it in the family)

Dani Gurgel & Debora Gurgel - DDG19 Big Band

ボーカル・Daniとピアノ・Deboraの母娘を中心としたブラジルのジャズ・カルテット、通称DDG4。今回のアルバムはDDG19ということで+15人ブラスが加わった豪華なビッグバンド編成になっていて、聴きやすく迫力のあるサウンドが展開されている。まずその「音が良い」というのが一つ。

次にリズム。ブラジル音楽由来の溌剌なグルーヴが耳に入るや否や、身体がくねくね動き出してしまう。自然とポカポカ暖かくなってくるアンサンブルがひたすらに素晴らしい。それでいて落ち着いた曲があるのも良い。あとは…自由自在に色とりどりのフレーズを歌い上げるボーカルパフォーマンスもカッコいいし可愛いし。

今回のトップ9の中でもかなり好き。

おすすめ:36-47、Rodopio、Sem Fronteiras

Alon Mor - Within

イスラエル出身アーティストの4th。BlueskyのFFさんから教えていただいた。ぐわっ!と引き込まれる厚くデカいアコースティック・サウンドの波が押し寄せる。イスラエルの伝統音楽についてはそこまで詳しくないが、「圧」が凄いので考えなくてもすぐ身体に来る。そして何といってもヘブライの旋律が魅力的。個人的には《Hava Nagila》とかめっちゃ好きなので、すぐにハマった。緩急のレンジも幅広く、とにかくスケールが大きい。全曲のタイトルが「Within~」から始まっていることから分かるように、交響曲のような構成にもなっている。これまたスケールが大きい。

おすすめ:Within Will

その他ビビっときた新譜

トップ9には至らないものの、個人的に良かったと思う新譜。

 

 

South Penguin - South Penguin
柴田聡子 - Your Favorite Things
AIR-CON BOOM BOOM ONESAN - AIR - CON BOOM BOOM ONESAN REPUBLIC
森ゆに - Solitary
オーイシマサヨシ - ユニバース

新東京 - NEO TOKYO METRO
Meadow & 田辺玄 - Two Lands
入江陽 - 恋愛
Aili - Nandakke?
Skyjack - Light Cycle

Quadeca - Scrapyard
Cory Henry - Church
Frille - Frille
The Body - Orchards of a Futile Heaven
Monkey3 - Welcome To The Machine

ZOMBIESHARK! - Die Laughing.
Ihsahn - Ihsahn
Kali Malone - All Life Long
Grande Mahogany - As Grande As
DBN Gogo - Click Bait

The Fearless Flyers - The Fearless Flyers IV
Manu Delago - Snow From Yesterday
Ariel Kalma - The Closest Thing to Silence
Vijay Iyer - Compassion
Canada's National Arts Centre Orchestra - Truth in Our Time

月間トップ再生

Last.fmの範囲指定で再生回数を集計するシステムは消え、そのシステムの代替として使っていたFinaleも明らかにTOP3にいるはずのアーティストが表示されなくなって使えなくなった。ということで今回は新しいツール「Stats.fm」を。無料でも使えるのだが、プレミアムプランは買い切りで700円というお手頃な価格だったので払ってみた。

月間まとめも色々なフォーマットで出力してくれるが、今回は下のように。

 

(Stats.fmより)

 

一番上には曲のランキング。トップは練習していたMegadeth《Holy Wars》だった。次にTalking Heads《Burning Down the House》、Sensei Bonus《Not Found》。

その下には再生数トップのアーティストが並んでいる。それぞれ軽くまとめよう。

1位:Talking Heads

曲ランキングにも入っていたように、あからさまに『ストップ・メイキング・センス』効果。あまりにも良すぎたので、余韻に浸っていた。IMAXのド迫力映像とバカデカサウンド、また機会があったら聴きたい。じっと座っているのが辛くなる、という稀有な体験をしたのも良かった。できればスタンディング上映に。

 

 

2位:Meshuggah

1年弱ず~~~っと聴いている。もはや、言うことは無い。最近ハマっているのは最新アルバムから《God He Sees In Mirror》。4/4の上でたった一つのリズムパターンをぐるぐる繰り返されすだけでこれまでのグルーヴを生み出してしまう、Meshuggahの真骨頂だと思う。リズム構成が分からない方はこの動画を参照。

3位:Otto Klemperer

ここで新しい顔ぶれが登場。20世紀を代表するドイツの指揮者・クレンペラーだ。これまでクラシックはカラヤン指揮のものばかり聴いていたけれど(有名だという理由だけで)、前に読んだとある本に影響され彼の指揮のものを色々と聴いてみた。その本で紹介されていた以下のアルバムは良いと思った。知ってる曲も多かったし。シューベルトの『未完成』も良いらしいので次はそれかな。

もちろん自分はまだ指揮者云々の次元に達していないので、未だ音楽の授業の空気感で真面目に?聴いている。クラシックむずい。

 

ビビっときた曲

新譜

  • Skyjack《Future Past》
    11分もの長尺がするっと聴ける ドラマチックなケープ・ジャズ
  • Luck Ra《Quiero Creer》
    クンビア・ポップ
  • James Jonathan Clancy《A Worship Deal》
    とんでもないオーラと気迫
  • the pullovers《朝のテーマ》
    良インディー・ロック 太い音とリフでやられる
  • Ribet Towns《ism》
    5+5+5+6の変拍子
  • tori inu《Zopiclona》
    良フォーク しなやかな手の動きが見える
  • Flash Ikumkani《IIwimi Lenkobe》
    インドのラッパーらしい 中盤、客演Driemanskapのフロウがヤバい
  • CVLTE《iShadow.》
    ナニコレ?わからん!
  • Dizzee Rascal《What You Know About That》
    キレキレのグライム
  • Declan McKenna《The Phantom Buzz (Kick In)》
    キャッチーなリフ ぷぉっぷぉー
  • Astral Bakers《The Whole Story》
    オルタナてかグランジてか
  • おとといフライデー《幽霊部員》
    小島みなみ紗倉まなのユニット この曲はIllicit Tsuboiプロデュース
  • カシ・オトハ《黎明ライセンス》
    Vtuberの楽曲 hirihiriとlilbesh ramkoが関わっている 曰く「アホのクンビア」
  • Yung Saber《Sinna》
  • Bingo Fury《I'll Be Mountains》
    ブリストルの音がする
  • Ihsahn《BLOOD TRAILS TO LOVE》
    荘厳シンフォニック・メタル リズミカルなキメからスウィング・ジャズみたいになるとこ好き
  • Nico Waver Kwartett《Why》
    モダンでクールなジャズ
  • Cocco《ファンタジー
    おもしろ・ポップ
  • Talk Show《Small Blue World》
    ヘヴィな裏拍を感じようゼ
  • ZOMBIESHARK!《Loxosceles On The Isosceles》
    ヤバい うるせ~
  • Hegidan's《敗北の作法》
    《Dear Prudence》的スリーフィンガーに電気グルーヴ《ポケットカウボーイ》ぽい継ぎ接ぎのボーカルとリズムマシン、人力ドラムンベース、ダブとか、いろいろ面白い
  • Jimini《JungleMonster》
    ユーモラスなジャズ 遊び心
  • YURYEONG《I DON'T NEED THE DRUGS》
    韓国ヒップホップ
  • Vic Mirallas《petons》
    シンセ・ポップ、ネオ・ソウル?
  • Al-Doms《Let It Spell》
    フロウが良い
  • 新東京《さんざめく》
    ドラムがはやい はやい はやい
  • reDasein《Liorrr》
    ナード臭漂うインディー・ロック 5拍に誘われて
  • Allie X《Black Eye》
    かなりクサいシンセ・ポップ
  • ネクライトーキー《浪漫てっくもんすたあ》
    曲調と歌詞の乖離
  • AIR-CON BOOM BOOM ONESAN《ソー》
    芸人・エアコンぶんぶんお姉さんの曲 超カッコいいと思ったらCMJKが携わっていた
  • サ柄直生 & uami《苞》
    ぴょー 気持ち良い
  • カブトムシ《タイムシフト
    藝大出身バンド サビ後半好きすぎる
  • BXKS《Broken Mess》
    女性ラッパー 本場のUKドリル 淡々としていてカッコいい Watsonもこんなフロウしてた
  • John Surman《Onich Ceilidh》
    サックス/クラリネット奏者の穏やかなECMジャズ 79歳!?

旧譜

  • Svemirko《Nikad više ništa》
    Blueskyで教えていただいた良シンセ・ポップ
  • Skid Row《Sweet Little Sister》
    友人リコメンドのオールドスクールハード・ロック たまにはこういうのもいい
  • Mild High Club《Homage》
    友人リコメンド
  • Stuff《Stuff's Stuff》
    1976年、モントルーでのライブ盤から カッコよすぎる
  • Ryosuke Nagaoka & aus《Mirrored》
    去年リリースの長岡亮介とausのコラボ作品がサブスクに出た 聴きやすい

総括

聴きすぎた。

 

今日はここいらで、おやすみなさい。