こんにちわ。3,4月分の月間まとめを滞納していました。この記事ではそれの清算も兼ねて、直近3か月分のビビッと来た新譜をまとめて紹介します。
前回まとめを書いた2月に聴いた新譜の数は過去最大の300枚でしたが、ここ3か月は月単位でその半分くらいしかチェックできませんでした。理由としては「インプットよりアウトプットの作業を増やした」「意識的に旧譜を漁っていた」「自動車教習所に通っていた」などが思いつきます。生活を犠牲にするほどのガチディガーではないことを証明したということで、本題に参りましょう。
良かった新譜たち
ストリーミングサービス(Spotify)で聴いたフルアルバムとEPの中から、ジャンル国籍問わず強く記憶に残ったものや琴線に触れたものをただ選びました。全部で28作品(数字に意味はない)。なお当方、音楽史上で重要だとかそういった視点は持ち合わせていないのであしからず。今回は作品の「はやさ・アグレッシヴさ」と「雰囲気の明暗」を表すメーターをざっくりつけてみたので、聴く作品を選んだりする際に参考にしていただければ。
Li Yilei - Nonage
3/6|Ambient, Experimental|UK
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冷たい感触。音がてんでんばらばらコラージュされる《++++》と、暖かいリズムの層がポリメトリックに折り重なる《Pillow, Mantra and Trance》が好き。
Judas Priest - Invincible Shield
3/8|Heavy Metal|US
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御年72歳のRob Halford、言葉通り老いを感じさせないどころかむしろピチピチなハイトーンボーカルが本当に凄すぎる。流石メタル・ゴッドと唸るばかり。同時に古典的で真っ直ぐなソングライティングと演奏もここまで突き詰められるとクサさを通り越して神々しく思えてくる。
阿部芙蓉美 - Super Legend
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素朴でミニマルなサウンド、脱力感とゆるいユーモアが好み。
布施音人トリオ - Isolated
3/13|Jazz|Japan
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全編オリジナル曲、クオリティが高い。アヴァンギャルドやフリーも良いけど、こういう端正なジャズも聴きたくなる。
すずめのティアーズ - Sparrow's Arrows Fly so High
3/24|民謡|Japan
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プリミティヴでサイケデリックな味わいで再解釈された民謡の数々。ミニマルなアレンジが本来の色彩やリズム感を際立たせているようにも思える。
BREIMEN - AVEANTIN
4/3|J-Pop, Jazz Funk|Japan
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メジャーデビュー作でありながらこの攻めっ気とファンクネス。好きです。
藤原さくら - Wood Mood
4/3|Jazz Pop, Chember Jazz|Japan
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Ugly - Twice Around the Sun
4/3|Indie Rock, Progressive Rock|UK
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正直ザ・プログレな一曲目《The Wheel》が強すぎる。
Vampire Weekend - Only God Was Above Us
4/5|Indie Rock, Chember Pop, Baroque Pop|US
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Glenn Gould演奏のバッハ『平均律クラヴィーア曲集』を聴いていたので、よりバロック成分が刺さった。
Still House Plants - If I Don't Make It, I Love U
4/12|Experimental Rock, Post-rock|UK
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English Teacher - This Could Be Texas
4/12|Indie Rock, Art Rock|UK
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よくあるインディー・ロックの音でこういうアプローチは面白い。《Nearly Daffodis》ではDiscipline期クリムゾンさながらのポリメーターをかましていた(分析動画)。
Tempalay - ika
5/1|J-Pop, Neo-Psychedelia|Japan
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長いけど面白い。実験性を残したままどんどん売れて行ってほしい。
WILLOW - Empathogen
5/3|Jazz Pop, Neo Soul|US
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攻めとポップの両立が凄い。《b i g f e e l i n g s》がお気に入り。
tilt- Something We Once Knew
5/3|Chember Jazz, Avant-garde Jazz|UK
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トロンボーン、アコベの変則トリオ編成(後二者はコーラス兼)。ドラムレスかつオール単旋律の良さを活かしまくった余白たっぷりのアンサンブルが情報過多社会に毒された身体に沁みまくる。
Ibelisse Guardia Ferragutti & Frank Rosaly - MESTIZX
5/3|Avant-garde Jazz, Free Improvisation, Spoken Word|Netherlands
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Thandiswa - Sankofa
5/10|Neo-Soul, Spiritual Jazz, Xhosa Music|South Africa
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南アフリカから、コサ族由来のボーカルワークと熱気をモダンな要素とミックス。情熱的でカッコいい。全体的にベースが活躍している。
Knocked Loose - You Won't Go Before You're Supposed To
5/10|Metalcore|US
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Glans - Slow Tree
5/11|Drone, Experimental Rock|Japan
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薄味のドローンが7分続くだけの一曲目からじっくりコトコトしっかり温度を作り、焦らしまくったのち《NIN》で爆走。高速化させたクラウト・ロックのような音世界にずぶずぶ。スタイリッシュでカッコいい。
Μαρίνα Σάττι - P.O.P.
5/14|Neoperreo|Greece
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よくわからないけど、面白い。
Daichi Yamamoto & JJJ - Radient
5/15|Japanese Hip Hop|Japan
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marucoporoporo - Conceive the Sea
5/15|Ambient, Folktronica|Japan
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Ajate - Dala Toni
5/17|Afrobeat, お囃子|Japan
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じゃがたらに近いバイブス。はしゃげる。
Lantern Parade - あなたが思い出すための / 記憶の中の海辺
5/20|Downtempo, Plunderphonics, Indie Pop|Japan
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夢遊の心地。サンプリング・ループを駆使しながら色んな場所に飛ぶ。Daft Punkみたいにノリノリ、ドリーム・ポップの煌めき、メロウにシティ・ポップ、ジャジーにも。歌モノからポエトリーまで。
Tomggg - superposition
5/22|Dance Pop, Kawaii Future Bass, J-Pop|Japan
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ハッピーになろう。
Bring Me the Horizon - Post Human: NeX GEn
5/24|Electronicore, Emo Pop, Hyperpop|US
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瑞々しい今の風。Hyperpop文脈まで取り入れてしまうとは恐ろしい。
ARTMS - Dall
5/31|K-Pop, Alternative R&B|Korea
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K-Popで一番良かったのはこれ。
Wabesabee - Isole
5/31|Neo-Soul, Neo Psychedelia, Jazz Funk|Italy
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「わび・さび」の名を冠しているが質素なわけではない。ただ音作りからハーモニー、グルーヴの具合まで丁寧に作られている。メロディセンスも非常に良い。
Dos Monos - Dos Atomos
5/31|Experimental Hip Hop, Experimental Rock|Japan
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これまでのサンプリング主体でグルーヴィなアプローチから一転、バンドサウンドを基調にしつつ、より無秩序でプログレッシヴに、より攻撃的に、時にはメロディアスに、多様なトーンで捲し立てられる超高密度の40分間。マヒ必至。ヒップホップとかロックとかおいといてヤバい音楽。
総合
いつもより感想少なめですが…。「ジャンル国籍問わず…」とは書いたものの、結局ジャンルはバンドサウンド中心に(主にロックとジャズ)、国は日米英に偏ってしまいました。でも選出していないだけで、間違いなく色んな国の音楽も聴きました!でもピンと来るものは少なかったので、ディグ能力か自身の感覚かのどちらかが足りないんだと思います、精進します。