おはようございます。
11時起床、早起き失敗。キャー!!!!!!!
ともかく、今日はこの本の話。みの『にほんのうた』。Kindle本が70%OFFという超絶お得なキャンペーンに乗っかって一週間前に買った。
軽音楽部時代からみのミュージックを欠かさず観ているし、前作『戦いの音楽史』も読んだ。前代未聞?の邦楽通史を書くという試みも勿論応援していた。読まないわけにはいかない。先ほどのセール、そして私が割と信頼している音楽ライター・s.h.i.氏が電子書籍を勧めていたこともあり(リンク)、そうした。
面白かった!!!
まずは伝統音楽パート。やっぱり音楽は踊りと密接な関係を持っている。
西洋音楽をどうやって日本に持ち込んだのかが詳細に語られる戦前パートも良かった。音楽教育の難航とその行方。女義太夫と現代アイドルの近似。時代を越えた価値観。
アラン・ローマックスのような録音収集家の登場が遅れていたり、昔ながらの民族音楽を低俗なものとして禁じたりしたことが、現在のJ-POPの方向性を左右したのかもしれないと。
「J-POP」が誕生してからの後半はジャンル毎にフォーカスした記述にシフト。それゆえタイムラインが断続的になっているのが微妙。そもそも通史たるものの慣例を知らないからこれでも全然良いのかもしれないけど。でも相変わらず情報ドバドバなので読み応えはある。
既に言及がある通り、脚注や参考文献へのアクセスが不十分なのがやはり難点。おかげで情報の境界線が散漫になり、全体的にぼやっとしている。Kindleだからか所々誤植もあった。
細かいけど、
- (スコットランド/アイルランド民謡に対して)「日本の伝統音楽や民謡でも五音音階が使われているが、音の運びが違う」というのは、どういうことか [p98]
- ブルーノートではなくブルースギターを例に挙げる理由 [p113]
- 「版籍奉還」を「廃藩置県」を含んだ政策かのように表記している部分 [p125]
- 吉幾三《俺ら東京さいぐだ》等を「ラップ」ではなく「ヒップホップ黎明期」の作品として挙げている部分 [p380]
- 語義の広い「ミクスチャー・ロック」というジャンルをラップ・メタルとイコールで扱っている部分 [p424]
とか気になった。
「間口の広さ」を売りに出して邦楽通史の「たたき台」を提示する、という方針を把握した上で読んだほうが良さそうというのは。ある。
なんだかんだ私はまだまだニワカなので、長い間はこの本にお世話になると思う。
度々読み返しつつ日本の音楽を知っていきたい。
今日はここいらで、おやすみなさい。