音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

音楽の本を四冊四だ四

 

おはようございます。

 

7時起床、二度寝。9時に再び起床。二度では飽き足らずついに三度寝。11時起床。早起き失敗。むしろ普段以上に早く寝たつもりだが、なぜ。映画を観る習慣を絶って以来全然起きれん。映画を観ないと早起き出来ない病気にでもかかったのだろうか。

 

さて、今日は最近読んだ音楽本の話をしよう。ここ4週間で4冊読んだ。

なお現在の私生活における趣味の優先順位はおおよそ「音楽>>映画>運動>読書」のようになっている。読書は最もスローペース。そういう気分としか言いようがない。

 

imdkm『リズムから考えるJ-POP史』

音楽ライター・imdkmがリズムを軸にJ-POPの変遷を語った一冊。とても読みやすかった。あくまでもリズムは一本の軸であり、展開される話題は多岐に亘る。ヒップホップやテクノのがどのように取り込まれたのか、という流れが大きい。シンプルにJ-POP史を振り返る本としても読むことができた。想像していたよりも学理的な話は少なく若干肩透かしを食らった感はあるが、むしろちょうど良い塩梅であるとも思ったり。

 

トレシーロ(332)の話はもちろん出てきたが、深入りを避けるためか本編で「トレシーロ」と言及されることは無かった。拡張したダブルトレシーロの話も無かった。

 

あとひとつ気になったのは、トラップ以降の三連符譜割の先駆けとして《津軽海峡冬景色》を挙げていること。あれはそもそも三連符を基調とした12/8拍子の楽曲なので、イーブンの4拍子とポリリズミックに重なるトラップ以降のそれと同列に扱うべきではないと感じた。

 

個人的おもしろポイント

 

 

宮下誠カラヤンがクラシックを殺した』

挑発的なタイトルに惹かれて手に取ってみたものの、そもそも私自身クラシックの指揮者事情について詳しいわけではない。クラシックそのものにもかなり疎い。もちろんカラヤンは知っている。というかむしろカラヤン指揮のアルバムしか聴いてきていなかった。だから気になった。

 

正直言うと私には早すぎた。

とはいえ、全部読んだことには読んだので感想を。

 

内容はタイトル通り、20世紀のクラシックを代表する指揮者・カラヤンが如何に「クラシックを殺した」かが書かれている。ただ、とある問題がある。全編において筆者は「音楽を他者に客観的に伝えることは不可能、むしろ極めて主観で描写する方に可能性があるのでは(要約)」というアプローチをとっている。これが良くも悪くも面白い。

 

筆者は、何度も「大衆化の象徴」としてカラヤンを批判していると書いていた。カラヤンはもちろん、彼の世界苦(ヴェルトシュメルツ)から目を背けたアウラ(オーラ)の無い音楽を喜々として消費する聴衆にも怒っている、ということらしい。完璧すぎて逆に空虚で気味の悪いカラヤンsage、不安定で狂気を孕んだケーゲル/クレンペラーフルトヴェングラーageの論調がひたすら続く。

 

批評ではなく一個人のエッセイのようなものとして読めばまあまあ楽しいと思う(それでもちょっと視界が狭すぎるが)。「本書はディスクガイドの類ではない」という記述はあったが、筆者が絶賛していた作品はしっかりとチェックさせていただいた。ありがたい。

 

個人的おもしろポイント

  • 愛憎入り混じり熱の入りまくった文章
  • 同一楽曲の指揮者による解釈と是非(?)

 

 

中野雄『小澤征爾 覇者の法則』

先月上旬、日本を代表するクラシックの巨匠・小澤征爾の訃報が飛んできた。恥ずかしながら名前しか知らなかったので、この機会にと彼の波乱万丈な人生を学んだ。名門オーケストラの指揮台に立つまでの濃ゆ~い道のり。もともとラグビー部だったというのが意外で、その経験で培われたコミュニケーション能力や不屈の闘志が音楽の道で活きていたというのもまた面白い。

アンテナを研いでおこう。

 

個人的おもしろポイント

  • 物凄い行動力とドラマ
  • 超激スパルタ指導
  • 齋藤秀雄メソッド

 

 

鮎川ぱて『東京大学ボーカロイド音楽論」講義』

ボカロP・しゅわしゅわPとしても活動する音楽評論家・鮎川ぱてが東京大学で行ったボーカロイドに関する講義がまとめられた本。とにかくボリューム満点。さまざまなジェンダー論や現代哲学を織り交ぜながらボカロの「アンチ・セクシュアル」性を紐解いていく。

 

wowakaとハチから始まり、DECO*27、kemu(堀江晶太)、じん、Neru、Orangestar、そして椎名もた(ぽわぽわP)などの名曲を分析。久々に聴いた曲も多く懐かしい気持ちになりながらも、新しい視点がバンバン入って来て非常に面白かった。

 

ちょうど邪気眼バリバリの中学2年生くらいに自分が作っていたボカロ曲が本書で言及されていた「ディビジュアルな自分」「モノトーン」「翼のモチーフ」やら何やらをしっかり用いていたことを思い出し、厨二病心を見透かされたような気分になった。

 

知らないことばかりだったので何度も読み直したい。

 

ジャック・デリダジュディス・バトラーはやはり読まなければ。

 

個人的おもしろポイント

  • 全部

 

関係ないけど縦読みの「w」も新鮮だった。

 

 

わんこ

 

にゃんこ

 

今日はここいらで、おやすみなさい。