音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

ゴジラのヒップホップ【今日の吸収 #245】

おはようございます。

  • 💿Ruins - Refusal Fossil (1998)
  • 💿Steve Coleman and Five Elements - Functional Arrhythmias (2013)
  • 💿Marilyn Manson - We Are Chaos (2020)
  • 💿Jin Dogg - Blood & Bones (BLOOD) (2023)
  • 💿日向敏文 - Sarah's Crime (1985)

ヒップホップを全然聴いていなかったので、Spotifyのプレイリスト「+81 Connect」を軽く聴きました。やっぱりWatsonイケイケで凄い。LANA、CYBER RUI、7と女性陣もカッコよかった。

今回ビビっと来たのはJin Doggの『PRADA。Jin Doggの群を抜いた狂気にはいつも惹かれるものがありますね。ダンサブルでも厳ついJersey Drillが刺さりました。ヒップホップの醍醐味の一つは、自分自身が全く交わることのないであろう世界のある種ファンタジーな空気を味わえることです(ヒップホップに限った話ではないかもしれませんけど)。アングラだと尚。

そして元ネタはゴジラのテーマ。マイゴジを観たばかりでもあったのでタイムリーだなとも思いつつ。クラシックナンバー・Pharoahe Monch『Simon Says』と引用個所も同じみたいです。『Simon Says』も勿論めっちゃ好きですよ。4~5年前に観たUMB2014・MC松島 vs ふぁんくで聴いてから好きです。去年black midiのライブの出囃子で久しぶりに聴いて笑ったという思い出があります。

PRADA』に戻りますが、この元ネタを被せたリバイバル感。都市開発された後も残り続けている街の風情というか、時代の移り変わり、ビフォーアフターみたいなものが感じられて超良い!エモい(禁止ワード)!

他に最近の元ネタ被せで知ってるのは41『Run That!』くらいです。必然と言うべきかこちらもJersey Drill。今日Jin Doggすら例のリズムに乗っていることを知って流行の最先端を再認識しました。乗り遅れないようにしなければ。

 

- - - - - キ リ ト リ - - - - -

 

今日の「1日1ラ」は、80s・559位・日向敏文『Sarah's Crime』!日本人だわーい。

①空間に渡り広がる分離したエレキドラムと生温いパッド。色々な楽器がかわりがわり現れるが、しなやかで力強いバイオリンが際立って美しく聴こえる。

②アジアの日常風景みたいな穏やかで生活感のある音。パッドが広がりやがてリズムを刻み、前向きで東洋感漂うメロディをピアノが奏で始める。ドリアンぽいが特性音の主張は弱く、途中まで二六抜きに聴こえたりする。ちょっと久石譲っぽい。

③ピアノソロ。先ほどと変わらないようなAドリアンから始まるが、中心音はどんどん転がっていく。モーダルなExtended II-Vをミニマルに繰り返すだけの曲。途中でルートレスになるくらいしか目立った変化は無いものの、円環構造の美しさのようなものを感じる。

さざなみさえずりコンボ。さえずりというかカモメの鳴き声なので海辺かな。低音が効いて柔らかく丸まったアコギのストロークに牧歌的なピアニカとアコーディオンボサノヴァ風と言ったら語弊がありそうだがハーモニーはそんな感じだ。平和な陽だまりの揺らぎ。後半のピアノも好き。

⑤サラとは一体誰なんだろうか。反響はすぐ落ち着いて、優しいスタッカートのピアノと流麗なヴァイオリンのデュオが。ピアノの音価は滑らかに繋がり、ワルツへと流れ出す。短いが構成がちゃんとあって、クラシカルで心地よい。

⑥トレシーロを叩くピアノの反復。混じるオルガン。少しディレイを掛けオーバーダビング。1:45~パチパチ、サーとアナログノイズが波打ち、鐘や雷も鳴り出す。ノイズというか雨音だったか。切ない。

⑦パッドの霧が帰ってきてピアノの余韻と溶け合う。なかなか動かずむず痒いベースライン、息交じりのハーモニカがしばらく主旋律。ピアノに交代すると伴奏はマイナーコードを鳴らし一気にトーンダウン。mM7など今までになかったスパイシーな重ね方がコリに効く!バーで流れていそうなしっとりナンバー。

⑧キラキラした鐘のようなシンセが遠くから聴こえてくる。ずっとぼやぼやしているのでアンビエントかな。中盤で転調し主旋律のピアノが加わる。大きく間を取った音の配置がくつろぎ感を増す。

⑨ワルツでピアノソロ。濁りを経た後のM7や9thが快感。結構すんなりと解決してくれる。最後にシンプルめの曲はありがたい。

総合:日本人にクリティカルな音がたっぷり。クラシック印象派アンビエントの手立てを通して饒舌かつシンプルにまとまった和の感覚。一枚通して暖かくリラックスできる雰囲気が常に続いていてずっと気持ちA。

お気に入り:②⑤⑦

今日はここいらで、おやすみなさい。