音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

今更black midiの来日公演を思い出す【今日の吸収 #6】

スマホだと記事の頭に広告があるのがなんか嫌~、せめて下に置いてほしい)

おはようございます。今日吸収したものはこちら。

 

💿Duke Ellington『Piano In The Background』(2004)

💿black midi『Schlagenheim』(2019)

💿電気グルーヴFLASH PAPA MENTHOL』(1993)

💻Konnakkol Somashekar Jois(2018)

💻Repezen FoxxがRolling Loudに出演する件について【賛否両論48】(HOT)

🎬MINDSEEKER(HOT)

 

今日はタイトル通り、black midiの来日公演を思い出します。使うことがなくなったメモ帳のアプリを見返していたところ、その日のレポートのようなものが書き留めてあったので、せっかくなのでインターネットという大海原に放流することにしました。過去の自分との共作でライブレポート的なものを書いていきます。

 

 

black midiとの出会い

私の初black midiは、高2の頭?くらいに公開された『John L』のMVです。あの頃は(ハッ!)サブスク解禁されていなかったKing Crimsonのアルバムを、背伸びして聴いていたからか「あなたへのおすすめ」欄に突然現れた『John L』。

シュルレアリズム的でカオスなMVはともかく、この何とも言えない切れ味あるギターとサックス。地鳴りのようなベースとドラム。淡々と語るボーカル。荒ぶるピアノ。息が詰まるキメ。カオス!!こんな類の音楽に出会ったことはなかったので一目惚れしてしまいました。即チャンネル登録。

black midiの虜になった私は1st『Schlagenheim』にもどっぷり浸かりこんでいた最中、次に出た新曲『Slow』で再びノックアウト。なんだこの病みつき高速アルペジオは!Slowって言ってんのに速いじゃん!後半の展開やべ~!…高1のときにJeff Beck『Scatterbrain』にハマっていたのですが、その結果ジャズフュージョンのツボが開発され『Slow』に順応できたのだと思います。また、KEXPのライブ映像もとんでもなかったです。エグいです。あのクオリティの楽曲を生演奏ですんなりやってのける恐ろしい練度(まだ20代前半なのに…)。しかも即興(インプロ)があるのでスタジオ版より表情がついています。

このままだと全然本題に入らなさそうので割愛しますが、その後発表された待望の2nd『Cavalcade』、3rd『Hellfire』にはもちろん心臓を鷲掴みにされ、潰された挙句、新しい心臓と交換してくれました。そして本来2021年に行われるはずだったツアーの振替公演が2022年12月に決まり、前売チケットが発売されました。そのとき私は高3で受験シーズン真っ只中。コロナもあるし…。と、悩み渋っていたところついにSOLD OUT!これでよかったのかよく分からないままモヤモヤしていました。その後追加発券が始まりましたが、このことに気づいたのはかなりギリギリのタイミングでした。それでもチケットは完売していなかったため「本当にこのチャンスを逃して良いのか!?」と思い、購入を決意しました。東京公演のみキャパ制限の影響で公演が一日に2回あったのですが、ライブは日曜、翌日は普通に学校。そのため早い1ST SHOWの方にしました。

Spotify O-EASTのキャパは1,300人なのですが、チケットの番号は「A1300」でした。多分ツイてます。

 

渋谷めっちゃ人いる

ライブの予習としてblack midi全曲をシャッフル再生しながら会場に向かいました。服装は3rd購入時についてきた黒い半袖Tシャツに長ズボン、持ち物はスマホSuica、ワイヤレスイヤホン、財布が入った小さいショルダーバッグです。

渋谷駅を出ると人がめちゃめちゃ多くて怖かったです。109のロゴを仰ぎ見ながら、Google Mapに従って人けの無い路地を通り会場に向かいました。

緑色のネオンが光るSpotify O-EASTに付くとそこにはblack midiを待ち望む人たちが沢山。年齢層は割と高く、40代くらいのおじさんがチケットの番号を見せて「これもう入っちゃっていいのかな?」と話しかけてくれました。番号順での入場になっていて、すでに1,000番代の案内が行われていましたが、その方はAの400番代くらいだったので急いで入場するよう促しましたw。私はA1300なので長くなるな~と思っていたら案外早く入れました。

エントランスから階段を上り、ステージに向かいます。

Suicaでドリンクチケットを購入し、カウンターでペットボトルのお茶と交換。ショルダーバッグにしまっておくことにしました。こういう時のキャッシュレス決済は便利ですね。

意外と1階フロアが空いていたので階段を降りステージ前に移動。フェンスのちょうど後ろあたり、人でいうとおおよそ5~6列目あたり、ステージの上手側に位置取りをしました。A1300とは何だったのか。

懐かし~。床が何故かベタベタしていて、足を離すたびにガムテープのように引っ付くあの感覚。いろんな人がいました。本を読んでいる人、スマホゲームをしている人、私のようにただ会場BGMにノっている人。なお私は人生初ライブなのでマジで終始何をすればよいのか分かりませんでしたが、特に変なことはしなかったため最終的に何事もなく済みました。

待機時間15分ほど。興奮が高ぶる中会場が暗くなっていきます…

短くも最高のショーを思い出そう

さて、ここからはメモ帳アプリを見ながら書いていきます。過去の自分との対話です。メモ帳の文は引用ブロックに囲って原文ママでお届けします。是非BEATINKがライブ直後に上げてくれたセトリ再現プレイリストを聴きながら見ていってください。

出囃子『Simon Says

『Sugar/Tzu』の冒頭で聴くことができるようなボクシング風のコール→『Simon Says』で登場。歓声。無言。

メモの量に「おい!これだけかい!」と言いたくなりますがしょうがないです。ボクシング風のコールでは「ブラック・ヘルファイア・ミーディー!」って言ってましたね。Pharoahe Monch『Simon Says』はMCバトルなどでも流れていて知っている曲だったのでかなり興奮してました。ライトが赤く光り、メンバーが登場して歓声、拍手が沸き起こりました。私も「Foo~!」みたいな感じで参加しました。

 

『953』

1stの1曲目、ライブでは定番の『953』だがサウンドチェックもかねたラフなプレイだった。リフが飛び出した瞬間やったー!ってなった。轟音。Geordieはチューニングを合わせながら弾いていてかなり脱力しているように見えた。Morganのビートの強さと安定感が凄い。静と動が感じられて、歌が入るパートでは歓声も。スクラッチ奏法よかった。5拍子のリフだが、ノリ方は人それぞれだった。

まずプロのミュージシャンのライブ自体初めてだったので、普段耳に入ることのないデカさの音にびっくりしてました。最初はギターの高音がキツかったのですが、段々と耳が慣れて音がぼやけていき心地よくなりました。ボーカルが入る「静」のパートではCDと同じGeordieの声が聴こえて「ああ、ホントに数m先にblack midiがいるんだ」と変な感覚でした。Morganの激ヤバドラム捌きもすごすぎ。

Speedway

初っ端からゴリゴリ歪んでいたので原曲とは違うパワフルさが良かった。ヘッドバンキングがしやすい曲。

別の曲かっていうくらい歪んでいて、勢いを感じました。爆音で鳴らされるEonF#の爽快感たるや。

『Welcome To Hell』

シンバルの4カウントを聴いてキタ!と思った。みんなピョンピョン。

これだけかい!w。black midi随一のポップなナンバーです。イントロではスタジオ版にないベースのブラッシングも聴くことができ、腕を上げつつ、つま先をつけながらベタついた床の上でピョンピョンしてました。

『Lumps』

この曲だけメモがありませんでした。おそらく4thアルバムに収録されるであろう曲で、ライブでは何度も演奏されているそうです。ジャジーで大人しいパートから7拍子の大暴れパート、最後に4/4に戻るところが気持ちよかったのを覚えています。

『Of Schlagenheim』

変なモジュレーションをいじりだして何だ?と思っていたらリフ完成、8拍目が抜けたリズムも心地良い。つぶやくように始まり少しずつ盛り上がっていく。間奏の台パンキーボードは圧巻。暴れてました。「Na Na Na…」のとこふざけてた。

Cameronのベースがゴリゴリでカッコよかったです。

『Near DT, MI』

イントロでノリノリ。静かになってからのサビでCameronが大シャウト。ハードコアすぎ。爆発していた。

ハードコアパンクともいえる爆発的な一曲でしたが、サビではシャウトに加えてライトの点滅が凄く、black midiの世界に引きずり込まれたようでした。

『Chondromalacia Patella』

Geordieのクネクネダンス。中々速いリフを余裕そうに弾いていた。この曲もヘッドバンキングしやすい。後半のハイスピードからは即興で遊んでいた。

さっきからヘッドバン「キ」ングって書いてますが、もう過ぎ去った過去の自分なので気にしないでください。クネクネダンスっていうのは内股→ガニ股を繰り返しながら横移動するあれです。後半のハイスピード(アウトロ)が結構長くて良かったです。

『27 Questions』

この曲もうやるのか!と思った。「27 Questions~」の後で無音になる部分があり、そこでレイザーラモンHGが魂のフォーを叫んでいた。ちょっとみんな笑ってたけど。その後の「Good night」もセクシー!こちらも台パンキーボードで衝動的に弾いてました。

「Good night」は、アルバム版のように歌い上げる感じではなく、ささやき声に近い感じで短く発声し、その後すべての楽器の音が止み、会場全体が3秒くらい静まり返った後にカオスなパートに戻ってました。ドラマチック!

『The Defence』

ピアノを二回しした後歌に。最初はポエトリーリーディング風に、次はメロを乗せてときおり手を使って表現もしていたけれど歌がうまかった。会場があったかくなった。

歌詞の内容はともかく、静かで美しいバラード曲です。

『Magician』

ジャムから始まった未発表曲。何を言っているかさっぱりだったが説得力はあった。

『The Defence』の温度感を保ったまま始まったゆったりバラード2曲目。セトリを確認するまでは「Black Country, New Road」の曲かと思っていました。

『Slow』

バラード曲の連続でおちついた会場をイントロでぶち上げ。Cameronのシャウト炸裂。ギターソロは後半アドリブぽい。とてもカッコよかった。短く切って吐き捨てるような歌い方も良い。Saxがいたらもっと良かった!

スタジオ版より荒々しくアドリブが多い演奏でした。録音時より明らかに楽器の数が少ないのにこれまでのダイナミズムがあるのかと改めて感動していました。ホーンの有無でサウンドのリッチさはかなり変わると思われるので、今度はやっぱりSaxのKaidiを迎えた演奏が聴きたいですね。

ライブ後

アンコールはなかったものの、感謝を込めて長い間拍手してました。短かった気もしますが確かに濃密で衝撃的なショーでしたね。モッシュもなく淡々と曲を演奏していくといった、シンプルで初心者に優しいライブでした。ちなみにLATE SHOWのセトリはかなり異なったようで、Cameronのアコギ弾き語り曲『Still』と『Eat Men Eat』、名曲『John L』も演ったそうです。クーッ!!!!(下唇を噛む)でも、観れて良かった。確実にそう思えました。

まとめ

以上が、black midi来日公演の思い出…でした。ちなみに物販では『Schlagenheim』、『Cavalcade』、『Live Fire』に加えてクソダサTシャツも買いました(しかもラストワンで)。『Live Fire』はせっかく買ったものの音量バランスや音質がかなり劣悪だったので、彼らのライブ音源を楽しみたいという方はボーナストラックかYouTubeに上がっているKEXPなどの公式映像、ファンによる録音を聴いた方が良いと思われます。

地獄の業火に焼かれた日。その炎は燃え尽きることなく今も私の中で生きています。4thアルバム楽しみです。Good night、Good night、Good night。