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カッコい~音【今日の吸収 #195】

おはようございます。

  • 💿Minchanbaby - たぶん絶対 (2017)
  • 💿JPEGMAFIA - LP! (2021)
  • 💿Funkadelic - Funkadelic (1970)
  • 💿Мегамозг - Красный Октябрь (2023) 🔥
  • 💿Tori Amos - Under the Pink (1994) 👀

今日の「1日1ラ」は、834位・90位・Tori Amos『Under the Pink』

①ピアノがなめらかに上下する。女性ボーカルが嘆くようなメロディを歌い上げ、だんだん高まっていく。Gregて誰?低音がストリングスで補強され情感も増す中、ドラムと歪んだベースが一瞬入り爆発的に盛り上がる。ビックリした。短二度で揺らぐフレーズが効果的に用いられている。熱はすぐに冷め、落ち着いてサビをリフレインし消え入るように終わる。

②弾き語り形式だった先ほどの曲に比べ音数が大幅に増え、バンドでのアンサンブルといった雰囲気。ファンキーだがギターはノイズ的。9拍子というか8拍子+1といった感じ。バースに入ると7/4拍子になるが非常に自然。真面目なカッティングを刻み始め、全体としても安定している。バース終わりでは演奏が止まって神々しいクワイアが現れたり、5拍子が現れたり、なかなかプログレッシブな展開をみせる。

③ヴィンテージな質感のトイピアノ?の旋律が切なく響き渡る。優しくも芯があるボーカルで、悲しい詩が歌われる。sheはおそらく書き手の友人で、「Now she seems to be sand under his shoes」という歌詞からは男性から酷い目に遭わされたということが分かる。友人を助けられず今では縁が薄くなってしまったという話?「nishiki」という単語が出てくるが、調べてみたところNISHIKIという日本の自転車メーカーしか出てこない。海外でも有名らしい。

④一転して明るいサウンド。レゲエみたい。コーラスでやっとマイナーコードが出てきたと思ったら既に全音下へ転調していた。男性コーラスがハモっている。Cメロでは緊迫した曲調に変わり、「body」といった不吉な言葉も現れる。

⑤冒頭から可愛らしい歌詞。1曲目と同様ピアノ&ストリングスの弾き語り形式。2バース目で「he」が出てくる。関係は良好でないどころか疎遠らしい。「baker」は神のような存在なんだと思う。

⑥ワルツのリズム。三度目の弾き語り。ピアノのエコーが強い。これもまた人間関係の話っぽいがイマイチつかめない。

⑦ガコンと遠くで鳴る金属音、逆再生のテクスチャ。イントロから不穏だが歌が入りさらに空気が暗くなる。歌い出しが「So I want to kill this waitress」とは凄い。よくわからない理由をつけ殺人衝動を正当化しつつもサビでヒステリックな音響と共に「But I believe in peace」と連呼する。怖い!でも、人間誰しもこういう側面はあるよねみたいな曲なのかな。

マンドリンウクレレ的な弦が爽やかに鳴らされ、鈴がシャンシャンとアンサンブルを彩る。「cornflake girl」「raisin girls」がわからん。ウサギも出てくるしなんだかおとぎ話みたいな世界観だ。

⑨ピアノ。M3とm3をクネクネ。童謡みたいなメロディの後に激しい打鍵。そしてつらら(=icicle)を想像させる、冷たく透き通るomit3のフレーズ。サビで演奏は昂るが、最終的に「I didn't」で締められる。

⑩弾き語り。サウンドに関してあまり目新しいものは見られない。「borneo」はボルネオ島?タイトルの雲や回転など

⑪ジャズっぽい細かいライド。頑なに反復し続ける硬質なウッドベースと怪しげに進むが、サビで突如転調し別の曲が始まったかのように明るくなる。なにせCマイナーからAメジャー(五度圏でいうと真反対)。のびーるディストーションギターが美しく空を横切る。

短調。といいつつ調性の揺らぎを発見。susコードでぼかしてメジャー/マイナーを行き来する。同主調どころか普通に転調する。中盤でドラマチックなストリングスがぐわっと風を吹かす。1919年に死にかけた?Anastasiaという少女についての話っぽい。ドリアン旋法によってAnastasiaの勇ましさが表現されているように思う。8:18~凄い。

総合:SSWというか弾き語りの良さを再確認できた作品。ピアノ主体の弾き語りが多いが表現の幅はそこに留まらない。歌詞のテーマと結びついたサウンドがドラマチックで良かった。シリアスな核に可愛いガワを被せるのも好き。

お気に入り:②⑨⑫

今日はここいらで、おやすみなさい。