音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

錯聴を学んだデイ【今日の吸収 #202】

おはようございます。

  • 💿Time Machines - Time Machines (1998)
  • 💿Tha Blue Herb - Sell Our Soul (2002)
  • 💿Morrissey - Vauxhall and I (1994) 👀
  • 📖柏野牧夫 - 音のイリュージョン (2010) 👀

『音のイリュージョン』という本を読みました。音が生み出す様々なイリュージョン、すなわち錯聴についてたっぷり書いてあるのですが、「イリュージョンフォーラム」というサイトで実際に体験しながら読み進めることが出来ることが特徴です。そのためとても分かりやすい。脳への伝達や蝸牛管の仕組みなど生物学的側面~錯視からのアプローチなど、錯聴だけに留まらない立体的な内容になっていました。目から(耳から?)鱗でした。

特に「定位残効」は曲を作るとき頻繁に知覚していたので、ちゃんと名前が付いた現象だと分かりモヤモヤが晴れました。「連続聴効果における後付け的な知覚」についてもSoundquestに出てきたスキーマの話に近く、腑に落ちました。やっぱり後なんだ~。

本に書いてあることのほとんど(筆者の研究体験記以外)はサイトに引用の形で載っているので、手っ取り早く知りたい方はサイトだけでも。おすすめします。

 

- - - - - キ リ ト リ - - - - -

 

今日の「1日1ラ」は、679位・Morrissey『Vauxhall and I』!名前だけ知ってます。

①まずはローテンポ。空間を感じる柔らかい音。ドリームポップと言った方が妥当かもしれない。低くから入るダンディで静かなボーカル。結構すぐサビに到達するが盛り上がり方は上品でセクシー。ディストーションギターも耳に優しい。

②ベースが短く丸く刻まれる。左右のギターはハーモニクスを利かせながらこちらを酔わせてくる。バースで短調がハッキリする。移り変わるアンサンブルのハーモニーに対し、主旋律はほとんど同音連打。それでも艶のある声質のおかげで十分存在感があるという。

③『Doctor Robert』みたいに軽快なロックンロールナンバー。サウンドはぼやぼやしたままなのでサイケ感もある。大サビでのbVI、バースに戻るときの順次下降がとてもカッコいい。ボーカルのテンションは変わっていないように思える。

④6/8拍子のバラード。アコギのアルペジオが心温まる。しっとりとポップに収めつつ機微に触れるハーモニーも兼ね備えている。

⑤カントリーっぽい明るさがあるポップな曲。ベタなギターリフ。吐息交じりの歌声とビブラートが美しい。サビまでの溜めも良い。

⑥スコン!と抜ける乾いたスネア一発、アコギの生々しいストロークがフォーキーに響く。リズムが大方同じなこともあり単調にも感じるが、不思議と物足りなさを感じない。質素かつ軽やかな紙飛行機のような雰囲気。

⑦テンポを下げ、落ち着いたクリーンギターがアルペジオ上でメロディを奏で始める。テーマの4つ目のコード、GmM7が絶妙!8個目が対照的に明るいC△なのも良い。2:00~階段進行の明るさを追って一瞬だけ長3度上にはみ出るの面白いwアウトロでは普通に全音上転調する。

⑧分かりやすく暗い。しとやかなアコーディオン?の温もり。色っぽいウィスパーボイスが臨場感を増す。🤫←ライブで歌う時これやってそう

⑨今度は牧歌的な明るさ。超シンプルなハーモニーからのIVmは予想できても喰らってしまう。子守歌のような安心感に全方位から包まれる。

⑩サビのゆったりと溜める歌い方、良すぎる。後半にはドラムにフェイザーが掛かり宇宙に行ってしまう。

⑪冒頭から静かに力強いボーカル。ブリッジミュートされたギターの音色にも詰まったエネルギーを感じる。ドリル?チェーンソー?がギュウウウって鳴り出してビックリした。じわじわ盛り上がり、2:52~コーダでドラムが進化し全体としてもゆっくり爆発していく。それでもボーカルは声を荒げたり極端に盛り上がったりしない。「強い」な~。超激ヘヴィなドラミングで幕を閉じる。面白い。

総合:ポップロック。ドリームポップな曲が多い。ボーカル・Morrisseyはバックバンドの展開にあまり左右されず基本的にローテンション。「主役は俺だ」と言わんばかりの存在感に最初から最後まで納得させられる。一曲一曲のコンポジションも聴きやすい上に質が高い。しかし後半似たような曲調が続くので若干ダレる。…⑪のチェーンソー?は要らないと思う。

お気に入り:④⑦⑪

今日はここいらで、おやすみなさい。