おはようございます。
- 💿54-71 - I'm Not Fine, Thank You. And You? (2008)
- 💿あぶらだこ - 亀盤 (1989)
- 💿Ruins - Hyderomastgroningem (1995)
- 💿Pavement - Wowee Zowee (1995) 👀
今日の「1日1ラ」は、90s・239位・Pavement『Wowee Zowee』!Pavementは前作を聴いていたようです(#78)。RYMの評価を確認すると星4を付けていたので、期待ありありです。
①大ぶりなアコギのストロークにシンプルなピアノ、そして脱力感のあるボーカルが心地よく混ざり合うフォークナンバーで幕を開ける。
②シンコペーションしたリズムギターと図太く歪んだリードギター。つっかえるハーモニックリズムが独特で面白い。ゆったりとしたグルーヴもサイケっぽくて良い。
③ド頭からサブドミナントマイナーを保ち気だるげに始まる。上がり切らないメロディからもダルさを感じる。
④多分ふざけている。
⑤冷ややかなギターの単音(不安定な相対レ)が枝分かれし、ツインリードで静かに空気を彩る。バースに入ると若干加速し、トニックも現れる。ギターも激しくなるが全体としては落ち着いている。ポストハードコアの「静」要素を取り出したような曲。雪がしんしん降り続けているようで魅力的。
⑥荒々しく歪んだギターが支配的なパンクナンバー。
⑦うにょうにょした変なイントロから変なバースへ。スライドギターにギロ、不安になるオルガンの音色。ボーカルの弱々しさはピッタリ。
⑧カントリー色が強いがハーモニーは柔軟に動く。ドミナントマイナーが効いている。I→Vm→IV→IIとかいう起伏が凄いコード進行。
⑨ギターの質感が面白い。間奏が怖い。結構イカレている。ダウナーなボーカルスタイルからはLou Reedの影を感じる。
⑩先ほどのバラードとは対照的にアップテンポで言葉を詰め込んだ譜割りに。少しすると熱を失い再び闇に堕ちていく。ここはペナペナのギターで良い。ぶつ切りに近い終わり方。
⑪Velvet Underground感が強い鬱屈ロックンロール。ギターソロのマイナスパワーが凄まじい。
⑫分かりやすい韻も踏んでおりポップで聴きやすい。1:01~「あ~~~Go!」で笑ってしまった。サビで吃るのも面白い。アウトロに向かって増す狂気。
⑬ぐわんぐわん弦を揺らすだけのイントロがカッコいい。クラウトロックっぽい直線的なビートがひたすら続きリフ一発で展開していく。プツプツと粗い音質も良い。
⑭トレモロエフェクトで縞模様状に切り取られたギターと薄暗いストリングス(というかチェロ?)が目立つダウナーな曲。音数も少なくボーカルの覇気も無い。1:53~どんよりとしたコードを弱々しくかき鳴らす。ひたすら同じ文章を反復する中、スライドホイッスルが右奥でひょろひょろ乱れている。神経症的で怖い。
⑮まともなロックに近づいたが、まだ眠い。ボーカルが小さかったり遠くで歪んだギタートーンがあったりシューゲイザー的でもあるが、謎。
⑯切なげでブルージーなm3チョーキング。サビの切り詰めた6拍子が効果的。ぬかるみサウンドを経てドラマチックな盛り上がりを見せる。カッコいい。
⑰コンプでパキパキに厚化粧したギターが目立つ。ボーカルは全編ラジオボイスでまたもやギターより小さい。2:51~テンポアップ。ドラムとベースだけは真面目だが、エレピは変なフレーズを弾いてるし、ボーカルは猫の威嚇みたいに叫んでるし、ギターまでも暴れ出してよくわからなくなる。『Sister Ray』的な狂騒。
⑱何の変哲もないペンタリフをただ繰り返し、ボーカルはコーラス+トレモロといった宇宙人ボイスで歌う。ピューンとFX的シンセが飛び交い、遂にはとりとめのないアウトロで終わる。締り悪っ!
総合:陽気でフォーキーな①から曲がりくねり、閉じ切った狂気のLo-Fiワールドを旅することができる一枚。キャッチーさはあまりない分、実験的な手数で勝負している。弱い曲もあるが脳をかき混ぜられる曲と曲の箸休めだと考えると納得がいく。面白い。
お気に入り:⑤⑨⑪⑯
今日はここいらで、おやすみなさい。