音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

通奏低音くん

 

7時起き、早起き成功。なぜかベタついていたバターロールを食べた。

 

さて、今日は、慣用句としての「通奏低音」を根絶させたい委員会。

通奏低音」は小難しい文章に登場しがちな単語だ。意味として「比喩的に、物事の底流にあって、目立たないが途切れることなく影響を与え続けているもの(『広辞苑』第七版より)」を指す。

 

しかしこの説明は本来の意味、つまり音楽的定義とは大きく異なっている。

上の広辞苑の引用は意味の②である。①が以下のものだ。

 

「合奏において、途切れることなく奏される低音声部。また、この低音旋律に基づき、チェンバロその他の鍵盤楽器などが即興的に補いながら演奏する方法。一七~一八世紀半ば、バロック音楽で行われた作曲上・演奏上の習慣。」

ここでの「合奏において…」の意味合いは語源から来る広義のものだが、基本的にはその後の意味合いで用いられることが多い。

 

通奏低音」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、おそらくペダル・ポイントドローンの類だと思う。そして慣用句としての意味を考慮するなら「執拗低音」が席を取って代わるべきだ。まあ、執拗より通奏の方が都合が良いんだろう。

 

そんなややこし四字熟語は音楽の枠を超えて用いられるため、さらにややこしい。なんでクラシック音楽の話してないときに使うんじゃい!と見かける度思う。なお一番ややこしいのは音楽評論/レビューの類に現れたときである。

いや、訂正する。慣用句として使っているのこと自体は明確に理解できるのでややこしくはない。モヤモヤする。脳内で「アンタは本当にそれでいいのか!?!?」と叫んでしまう。

 

ここまで書いてきたが、自分を顧みたところ、同じ穴の狢だった。

車の話じゃないのに「オーバーヒート」とか全然言うし、全く野球に興味がないのに「ストレート」「変化球」とか使う。

 

探せば、意味が履き違えられている「通奏低音」の友達もいた。将棋由来の「逆王手」は履き違えられながら広まっている表現だ。将棋ファンは果たしてモヤモヤしているのだろうか。

 

 

やはり、モヤモヤしていた。

 

やっぱり私は音楽というジャンルに独占欲があるんだろう。今日はこうやって記事を書く中でイタさメーターをちょっと下げられて良かったと思う。厄介なオタクにならないように気を付けよう。

 

言い忘れていたが、同じ音楽関連で「不協和音」も誤用が広まっている。

…えーと、自分のブログを検索してみたらバリバリ使っていた(多分誤用ではないけど漠然とした捉え方で)。もういいや!本書いてるわけでもないし、考えるだけ時間の無駄!バイバイ!

 

 

助けてー

 

 

今日はここいらで、おやすみなさい。