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音楽以外も食べていくよ。

『リング』みた!【今日の吸収 #213】

おはようございます。

KADOKAWA公式YouTubeでの無料公開キャンペーン、『犬神家の一族』に引き続き和ホラーの金字塔として名高い『リング』を観ました。

ともかく、感想。怖くない!…と言うと語弊がありますね。局所的な演出(ジャンプスケア)はほとんど無い代わりに、じめじめとした薄ら寒い空気が終始漂っています。西洋的なホラー映画とは違った趣、「Jホラー」「和ホラー」の所以を感じました。特筆すべきはクライマックス、貞子登場シーン!それまでの静かな気味悪さが溜めとも思えるほど印象的です。テレビから這い出てじわじわと竜司を追い詰める貞子。血の一滴も流さず、一言も発さず、ただ一睨でノックアウト。見た目だけでなく殺し方にさえ、非常に日本的なわびさびの美学を感じます。

最後まで貞子の全貌が明かされないのも魅力的。両方の意味で暗雲立ち込める方向へ走っていく車を映したラストカットも好きです。

褒めてばっかりではつまらないので、ん?と思った部分もいくつか。以下に雑記。

  • ネガポジ反転
    冒頭では智子の、終盤では竜司の死亡シーンで差し込まれる演出です。古臭く大味な感じが否めません。含みのある演出が多い中でのこれは明らかに浮いているように思えます。
  • ノローグ(?)
    一つは竜司がベンチで貞子らしき女性と遭遇するシーン、もう一つは竜司死後、智子が竜司宅に訪れるシーンで使われています。そこまで重要でもなく観ているこちら側からしても「読める」台詞なので、いっそう意図が分かりません。実際に役者が話すか台詞を無くすかのどちらかにした方が良いと思ってしまいます。
  • 竜司の超能力
    あまりにも唐突でズルい。
  • 井戸の水全部抜く大作戦
    命が掛かっていたのに最後まで誰の力も借りず二人で行動していた点が解せません。バケツをロープで上下させる力仕事なのに。加えて絵面が地味。

これも考慮すると、総合でちょっと良いくらいの評価です。

私は今日まで『リング』シリーズ未履修でしたが、「呪いのビデオ」の映像と貞子の目元アップは何度も見たことがありました(特にインターネットで)。貞子は今や誰もが知る世界的ホラーアイコンです。どんな形であれ彼女の影は日常生活にまで伸びています。『リング』はもはや古典です。この機会に学んでおくべきです。ダビングしますから。頼みます。

テレビが怖くなりますが、観たこと無い方はぜひ。

…そのあと図書館で借りてきた『ルビンの壺が割れた』を読みました。書店で見かけて下品な宣伝文句だなあと思っていたんですが、下品でした(二つの意味で)。

 

- - - - - キ リ ト リ - - - - -

 

今日の「1日1ラ」は、80s・237位・Sodom『Agent Orange』

①ザ・スラッシュメタルなリフ。4/4からフランジャーのかかった6/8、そしてブラストビートと共に4/4に戻り本番のイントロへ。高速デスラッシュ。あまり圧を感じないデスボイス。中盤でテンポを落とし、Dビートで再び盛り上がる。ギターソロの入りの豪快なアーミングがカッコいい。

②頭打ちスネアからデスデスしい単音トレモロリフへ。フレーズはベタもベタだが様式美ということで。ドラムはブラストビートだがシンバルだけ3連を打っている。2分経ったところで猛攻はすんと止み、哀愁漂うアコギで休憩。そして6弦開放ミュート、スラッシーなリフ。そのままギターソロ。普通。

③ゆったり重くトライトーンを鳴らしたかと思うとすぐさま爆走。単調な熱さ。面白味の無いリフが続く。体力バカ。

④ミドルテンポでいい感じ。ボーカルは安直なメロディを歌う。これまでと同様に6/8と4/4を強引に行き来する。

⑤タイトルにはドラゴンとあるが飛行機の音がする。Magic Dragonっていう名前の飛行機?ゆったりとしたリフ。右側からパリパリとノイズが聴こえる。今度こそヘヴィを貫き通してくれるか。わずか2分で期待は消えた。スピードアップした瞬間笑ってしまった。速弾きギターソロは相変わらず右から左へ抜けていく。後半の食ったリフは面白い。

⑦まずはドラム単体Dビートで疾走。趣向を変えてMotörhead・Lemmyの如くベースが目立つ直球ナンバー。

⑧儚さすら感じるスローなリフ。1分もしないうちに2段階もスピードアップしヘヴィネスは風に攫われる。ギターソロの入りは良かった。

総合:一辺倒。目立たないボーカル、味気ないフレーズの羅列、無節操な転拍子/テンポチェンジ。目が粗いデスとスラッシュのパッチワーク、なんというか中途半端。

お気に入り:⑦

今日はここいらで、おやすみなさい。