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手が冷える!Meshuggahで暖を取ろう【今日の吸収 #198】

おはようございます。

待望、Meshuggahのライブフル尺プロショットがついに上がりました。今年イギリスで開催された野外大型メタルフェス・Bloodstock Open AirBOA)のものです。
MeshuggahはKillswitch EngageMegadethらと共にRonnie James Dioの名を冠するメインステージでヘッドライナーを務めました。

Meshuggahメンバーが高解像度で全員揃ったのは『The Ophedian Trek』以来、ということは10年振り?Fredrik(Gt.)が2017年の『The Violent Sleep of Reason』ツアー最中から個人製作*1を追求するため長期間活動を休止し、去年ようやく復帰したところなので。

無機質な真っ黒コーデ。ヘヴィを体現したかのような貫禄ある佇まい。相変わらず素晴らしいパフォーマンス。演奏のクオリティはもはや言うまでもありませんが、次々に繰り出される複雑なリズムと同期した照明もとんでもなく刺激的でカッコいいですね。メンバーそれぞれの影が神々しく浮かび上がる『Immutable』のセットも好きです。

映像もですが、音もとんでもなく良い。Summer Breeze Open Airより全然良い。芯のある凶悪なギタートーン、埋もれがちなベースも負けておらずゴリゴリのゴリ(潰れ過ぎない歪みと中高音域が程良く出っ張っている)、ドラムに関してはスタジオレコーディング以上の躍動感を感じます。総じて最高のサウンドプロダクションです。ファンカメラ映像では籠り気味だったJens(Vo.)の声も、ハッキリ力強く聴こえてきます。60近いのにまだこんなに声出るんか…。セトリはツアー中ずーっと同じものなので新鮮味は無いですが、そんなのどうでもいいくらいのクオリティです。あと『Mind's Mirrors』で雨が降ってきたところ凄すぎる。超自然。

バシバシにキメていく傍ら、随所に「遊び」もありました。特にFredrikはソロが多いので割と自由に動き回ってます。『Demiurge』のイントロリフで刻みを入れ込んだのはビックリしました。『Born In Dissonance』のサビ前の刻みも本来「Bb→A→Bb」のはずが「Bb→A→F」(ミス?)になってからトップノートをBに置いてのソロ。ギター/ベースの低い音程の曖昧さが作用してBbキーからBキーに転調したような感じにも聴こえました。『Future Breed Machine』もラスサビ前のブレイクがちょっと変わってました。こういうライブアレンジみたいなのどんどんやってほしい。

と、良すぎるが故に気になるところもチラホラありました。

映像に対して少しばかり文句を言いたい。メンバーを平等に映せ~~~!冒頭からJensとFredrikはよく映るのに他3人のショットは少なく、既に違和感。Dick(Ba.)とMårten(Gt.)はたま~に映るがTomas(Dr.)は全然映らない。『Catch 33』メドレー辺りから思い出したかのようにTomasをクローズショットし始めます。

Mårtenに関しては!特に一番目立つ『Straws Pulled at Random』のソロとか、全身を映さなくてど~する!『Furure Breed Machine』の合いの手もFredrikばっか映しすぎ!(≧灬≦)みたいな顔しててカワイイけど。

合成させたり変なエフェクトをかけるよりかは、メンバー5人全員をバランスよく映して欲しかったです。確認したらスタッフロールに動画編集・Edvard Hansson*2と書いてあったのでアレ?ホントか?と思ってしまいました。複雑な気持ち。

もう一つ気になったのは『The Hurt That Finds You First』中盤辺りで客席後方に現れるウクライナのデカ国旗(国章付き)。後ろにいるならまだいいか~と思ってましたが、そのまま人波を掻き分け遂にはステージ前方で振り回され始めます。デモのつもりなんでしょうか。TPOを弁えて欲しい。途中からはDickに思いっきり被ってますし、しっかりステージングに影響してますよね。セキュリティも止められなかったんでしょうか…。

とにかく素晴らしいライブ映像であることに変わりはありません。鬼リピ確定です。まだMeshuggahを聴いたことのない人は『Rational Gaze』『Future Breed Machine』だけでも聴いてみそ。

 

- - - - - キ リ ト リ - - - - -

 

今日の「1日1ラ」は、80s・292位・The Replacements『Pleased to Meet Me』

①パンクでロックンロールなド直球リフ。やや嗄れ気味で力任せすぎないボーカルも良い。ドラムはのっぺりとしている。ベースはちゃんと主張がある。

②ポップな歌モノ。コードの乗せ方が若干雑だがパンキッシュというべきか。ギターソロの入りのキュキュっという音が良い。カウベルのパート好き。

③4つ打ちで前のめりなビート。短く差し込まれるバリトンサックスが絶妙なアクセントになっている。止まらないリズムの上で繰り広げられるスキャットや楽しげなコーラス。ダンスナンバーに相応しい一曲。

ディストーションギターなどのロック要素は鳴りを潜め、大人らしいバラードに。

⑤淡々としたクリーンなアルペジオ、几帳面なドラミングなどからポストパンク味を感じる。V系っぽいゴシックさもある?2番で小節が切り詰められるといった工夫は面白い。ギターソロは普通。

⑥再び爽やかなクリーンアルペジオ。歌詞が活き活きと聴こえるような言葉の吐き方。とても好み。「叫ぶこと以外時間の無駄」。だるくて鬱屈、そして投げやりな雰囲気はNIRVANAとも通ずるところがある(もちろんタイトルも)。

⑧ロックンロール。ボーカルの表現力が光る。ドラムに熱がこもっている。

⑨ハイテンポでパワフルな曲。キャッチーなサビもあるが、飽きてきた。

⑩柔らかいタッチのアコギで弾き語り。今度は優しい歌声。

⑪頭からサブドミナントで始まる珍しいIV→Iのパターン。ギターリフ、歌メロ共にポップでキャッチー。快活なブラス。完全に音が止むブレイクもメリハリがついている。車に乗って家に帰る様子?未来の明るさが表象されているようでポジティブな気分になれる。

総合:ポップパンク。古いのか新しいのか分からないが、正直ピンと来ない。全体的に当たり障りのないシンプルな作風。

お気に入り:③⑤⑥⑪

今日はここいらで、おやすみなさい。

*1:「Drumkit From Hell」に次ぐドラム音源「SDX - AREA 33」とソロアルバムの作成

*2:ステージの照明パフォーマンスは彼が手掛けている