今日本で一番アツいオルタナティヴ・ヒップホップの異能集団ことDos Monosの新譜『Dos Atomos』が遂にリリースされた。本当にありがとうという気持ちです。
本日31日。昨日の宣言通り、日を跨いだ瞬間に放たれたばかりの『Dos Atomos』を聴き始めるよりも、しっかりと自らを律して早寝早起きを続けることにした。23時半には布団に入り、0時には既に寝ていたと思う。そしてスッキリ目を覚ました。早寝早起き成功!しかしスマホで時刻を確認するとなんとまだ3時半。『Dos Atomos』を楽しみにしすぎていた。目先の誘惑に飛びつかないように理性で生活リズムの矯正を優先したはずだったが、やはり身体は抗えなかった。起きてしまったのなら仕方ない、ということで、再生ボタンに指を伸ばした。
ロックバンドとしての第二期Dos Monos宣言とも捉えられる《HAROU》で本作は幕を開ける。まずは荘子itが終戦詔勅の大胆なサンプリング及びパロディで軌道修正の意を示す。シンプルで堂々としたオーケストラヒット(最近だとAllie X《Black Eye》で使われているものと同じ音色)のリフを背後に〈堪え難きを堪え〉と聴こえた瞬間、新時代の到来を強く感じた。オートチューンもかかってるし。ジャキジャキのギターも。没のバースではトラップに、Taitanのバースでは
👮< ピピーッ!カービィ警察だ!
ここで、カービィ警察が突入してきたが、追い払っておいた*1。なんだかんだで一曲目にして情報量が多くプログレッシヴな展開を見せてきたので、この後一体どうなるのかという期待がより膨らんだ。《MOUNTAIN D》はTaitanが加速しボルテージを上げて没のメロディアスなフックがドンズバでツボに直撃。自然と頭を振っていた。
大ダークとのコラボ楽曲を発展させメタルも匂わせた《HI NO TORI》、Battles《Atlas》も思い出す盆踊りをモチーフのテンション感からエモラップの空気まで変幻自在《BON》、ゴーストバスターズのようなギターリフがノイジーに絡む大友良英をfeaturingしたシングルカット曲《QUE GI》、能天気なジャズオルガンが耳に残る《DATTO》、ハイテンポでフリーキーに暴れまくりTaitanに関しては歌詞記載なし希望となっている《UNDO》(読みはアンドゥではなくウンドウらしい)、レツゴーレツゴーなアンファンテリブルの賛歌《KIDS》、鋭いビープ音の中で淡々とラップし続ける《COJO》、『オギー&コックローチ』のOPかと思うフレーズからヤンチャな《ATOM》、ミュートトランペットからマーチングスネアまでカッコいい《INU》。
最高!!!!!!!お腹いっぱいです!!!
サンプリング主体+オールドスクールでループ感の強いアプローチから一転、ロック由来のバンドサウンドに目まぐるしい変化を施し再構築された激強トラック、それに各々のラップ表現の幅も広くなったことも重なり、これまでより一層アグレッシヴでプログレッシヴな楽曲が息をつく暇もなく続く。個人的には没がメロセンスを発揮していたのがとても良かったと思う(『だんでぃどん』収録の《QUICKSTEP》バースが好きだったのもある)。それに、肝心なラップ、音としてのフロウはもちろんリリックの濃度も相変わらず凄い。参照元は半分も分からないが、それでも面白い。テーマの「原子」にまつわる色々が全体に散りばめられていてコンセプチュアルでもあるし。
つい先ほど行われていたインスタライブでも「ロックに傾倒していた中高生時代の感性の延長線上で作られた」「ロックもヒップホップも根は同じ」といった旨の言及があり、ここまでの変化がすんなり来たのも腑に落ちた。ロックバンド宣言は突発的なものではなくむしろ流れに沿った自然なものだった。ここまでカオティックでもどこか一貫性があるのはそういうことか。
…
感想にならない感想を書いたが、とにかく聴いてほしい。自分もしばらくローテーションする。そして、とりあえずDos Cityの小市民として、リリースパーティーではしっかり暴れてくる。