音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

合言葉はTSLAMP【今日の吸収 #38】

おはようございます。5月が終わっちゃいました。

昨日聴いたJordaan Mason『Divorce Lawyers I Shaved My Head』の内容について、ちょっと掘ってみます。

調べてみると日本語のサイトはヒットせず。とりあえずBandcampの配信ページにあったアルバムの概要文をBingAIに丸投げしてみました。

夜中に足が痛くなって腫れるまで小さな町をさまよったり、気がついたら病院で目覚めたり、男でも女でも男でも女でも恋に落ちたり、自分の股間にあるものは何なのかと考えたり、頭を剃ったりした。もう自分は何者でもない。

それから私たちは歌ったり、叩いたり、壊したりし始めた。一人の声がどんどん増えていった。一人は腕を折った、一人は本を書いた、一人は養蜂をした、二人は暴行された、二人は学位を取った、もっともっと人が部屋に出入りした。もう何度も気絶したり、喉が痛くなるまで叫んだりしたあと、私たちは『Divorce Lawyers I Shaved My Head』というアルバムを作った。それは性的な歴史をひとつの物語にまとめたもので、1990年のグランドリニア戦争の最中に起こった、性別やアイデンティティに混乱した二人の人間の失敗した結婚についての物語だ。

大きなテーマがLGBTQ関連であることは合っていたようです。そしてアルバムで歌われているストーリーは事実を誇張したものだということも分かりました。でも「グランドリニア戦争(glandolinian war)」というものが何だか分からない。これもBingちゃんに聞いてみました。

「glandolinian war」とは、ヘンリー・ダーガーという作家が書いた15,145ページに及ぶ作品『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語』(通称『非現実の王国で』)の中で起こる架空の戦争です。この戦争は、キリスト教国家のアンジェリニアとアビアニアを征服しようとする、無神論者の国家グランデリニアとの間で繰り広げられます。グランデリニアは子供たちを奴隷として拉致し、拷問や殺害などの残虐な行為を行っています。この奴隷制度に反対する子供たちが反乱を起こし、アビアニアの王女であるヴィヴィアン姉妹たちが彼らを率いて戦います。この作品には二つの結末があり、一つはグランデリニアの指導者であるジョン・マンリー将軍が捕らえられてアンジェリニアが勝利するもの、もう一つはマンリー将軍が敵軍を打ち破ってグランデリニアが侵略に成功するものです。

なるほど…。元ネタはHenry Dargerだったのか…。Henry Dargerは「世界一長い小説」を書いたことで有名なアーティストです。生前は無名な存在だったものの、死後にその異質な作品が発見され、今日に至るまでアウトサイダーアートを代表する作家として評価され続けています。

Jordaan Masonが『非現実の王国で』を引用したのは、作中のトランスジェンダー的要素に因ると思いました。ニコニコ動画の記事が参考になります。

具体的には、「グランデリニア戦争」は夫婦間および性的マイノリティとシスジェンダーヘテロセクシャル間の社会的な闘争の比喩として、「ヴィヴィアン姉妹」はトランスジェンダー夫婦の比喩として引用されていると考えられます。

それにしても、「世界一長い小説」を全部読んだ上で落とし込んだんでしょうか。だとしたら凄い。

本題に戻りますが、アルバム全体のメッセージについて。以下のサイトを読んで少し理解を進められました。夫婦関係にあるトランスジェンダーの男女についての壮大な物語。やはり歌詞を読むべき。1曲目冒頭から「私の口は彼の卵巣でいっぱい」ですからね。卵巣(ovary)の複数形(ovaries)なんて普段目にしない単語なので分かりませんでしたね。

 

- - - - - キ リ ト リ - - - - -

 

今日の「1日1ラ」は、2010s・136位・MGMT『Little Dark Age』!コミカルで不気味なジャケットですね。黄色い。

①ビブラートの効いたシンセが目立つ涼しげなシンセポップ。効果的なトニックペダル。最近の椎名林檎『W●RK』よろしく、こういう歌詞はおおむね下ネタだと思ってしまう…。打ち込みに紛れてアナログシンセに擬態したサックスも入ってくる。②表題曲。シンプルなビート。「Little Dark Age」という割には明るい。③落ち着かないコード進行と相性がいい鬱憤がこもった歌詞。ハーモニックマイナー的な音使いが不安定さに一躍買っている。④一昔前の雰囲気がある。⑤マイナー251の情緒と共に「毎日スマホばかり見ていたら、時間はどこにも見つからない」と叱られる気持ち。刺さる~。⑥ボーカルがトーンダウン。音程も低くなる。Jamesは子供?犬?怪異?⑦パーカッションが賑やかでいい感じ。⑨左右をうろつくローパスの効いたドラムが絶妙。コード進行もゆらゆらしている。

独特なハーモニーと揺らぎのある音色、ポップだけどサイケっぽい部分もある。聴いていて疲れない。いい感じです。

お気に入り:①③⑤

今日はここいらで、おやすみなさい。