音楽を食べていくよ!

音楽以外も食べていくよ。

イチゴジャムとBowieとLou Reed【今日の吸収 #253】

 

おはようございます。今日の吸収物はこちら

 

  • David Bowie - Ziggy Stardust (1972)
    これと『Scary Monsters』しか聴いたことが無い 《Lady Stardust》が好き
  • Lou Reed - Transformer (1972)
    Velvet Undergroundよりロマンチック! ポップとはいえらしさは抜けていない
  • betcover!! - 時間 (2021)
    最新作《馬》よりは歌唱音域が広くエッジの効いたサウンド 人気も納得だ
  • ゲスの極み乙女 - 達磨林檎 (2017)
    アルバムとしては弱いが《勝手な青春劇》はやはり素晴らしい
  • なのるなもない × YAMAAN - 水月 (2023)
    新譜を見逃がしていた やっぱりカッコいい
  • Watson - Soul Quake (2023)
    言葉遊びが多くて面白い 踏みどころが分かりやすいフロウは一長一短
  • 반도 - 반도지형도 (2023)
    アヴァンギャルド・ジャズと韓国雅楽の融合 私が好きなPortico Quartetにも近い上品さ

 

9時起き。早起きではないけどセーフ。1年振りくらいにイチゴジャムを付けてパンを食べました。なんだか懐かしい味でした。ちなみに普段はハムマヨです。

 

David BowieZiggy Stardust』を久々に聴きました。コンセプト・アルバムと言われている割にはストーリーがかなり大雑把でぼんやりしているのがどうしても気になります。世界全体にズームアウトするのはオープナーの《Five Years》だけというのがミソなんですかね?Ziggyもイケイケなロックスターなのは分かるけど何してるんだこれ。「盛者必衰の理」てこと?

それとも、アルバムを飛び越えた現実世界でもペルソナを演じることで完成する壮大な物語なんですか?どうやらそうみたいです。インターネットの海からBowieの言及を見つけました。

 

I think the best thing I did was to leave him so open-ended. ‘It wasn’t a specific story. There were specific incidences within the story, but it wasn’t as roundly written as a usual narrative is. The only trouble about copying someone who is really well known is that you know all the facts about them, so you can’t actually be that person. But, because Ziggy was kind of an empty vessel, you could put a lot of yourself into being your own version of him.

"私がした最善のことは、彼にとても広い余白を残したことだと思う。特定の物語ではなかった。物語の中に具体的な出来事はあったけど、通常の物語のように丸く書かれてはいなかった。よく知られている人物をコピーするときに唯一困るのはその人についての事実をすべて知っていることで、なぜなら実際にその人物になることはできないからだ。でも、ジギーはある種空っぽの器だったから、自分なりのジギーになりきることができたんだ。(引用者訳)”

引用:How David Bowie Made 'Ziggy Stardust': Glam, Guitars and Kubrick

 

要するに、このアルバムはBowieにとってZiggyを演じるための大まかな脚本に過ぎない、と言うことらしい。かなり腑に落ちました。グラム・ロックはやはり曲/アルバムだけで測れる音楽ジャンルではないみたいです。

だからと言って曲の印象が薄いなんてことはありません。名曲揃いだということは確かです。個人的には《Lady Stardust》が好き。イントロの宇宙的なトライトーンから優勝。ボーカルも抜群に決まってる。中性的な存在を描いた歌詞は時代を先取り、コード進行についてはシンプルながらモダンで滑らか。サビ終わり1:01~1:08の自然な全音下転調が特に凄い。

 

 

まずはグラム・ロック自体を理解するために、広く周辺を漁ってみたいという所感。

ということで、同年にリリースされたLou Reed『Transformer』も聴きました。冒頭の《Vicious》はヴェルヴェッツからそこまで離れていないサウンドで、アレ?と思いましたが、《Andy’s Chest》でよりポップに近づき、《Perfect Day》ではただただ幸せなバラードが聴こえてきてビックリしました。

《I'm Waiting For The Man》の投げやりでニヒルなボーカルと比べてみてください。

ギャップ萌え不可避。

 

 

〈I'm glad I spent it with you/Oh, such a perfect day〉なんて歌詞も直球に明るいし。でも、最後に〈You're going to reap just what you sow〉と因果応報的なメッセージを置いているのがらしいですね。

Wikipediaによると映画《トレイン・スポッティング》に使われていたり、チャリティーソングとして歌われて全英シングル首位を取っていたりと、かなりの人気曲のようですね。《トレイン・スポッティング》、あのポーズだけ知ってるけど…気になるなあ。

今日の時点で「Bowieはポピュラーからアート方面にアプローチしていて、Lou Reedはその逆」という予測を立てましたが、どうなんでしょう。

 

今日はここいらで、おやすみなさい。