ちあきなおみ『百花繚乱』、確かに凄かった。色彩豊かで柔軟すぎる歌唱力が満遍なく発揮されていることはもはや言うまでもない。逆に言うまでもある。魂で全面コーティングされた言葉がMY HEARTに何度も突き刺さった。アレンジも中々面白かった。一曲目の表題曲から和の色を前面に出したプログレッシヴ・ポップな仕上がりでまず驚き、次の《部屋》はトーンダウンして演歌寄りにシフト、からのシティ・ポップでAORな雰囲気に《時の流れに》、そして《あなたのための微笑み》ではまた演歌の方に、ロマンチック歌謡《ほうずきの町》にシティ・ポップ演歌《嘘は罪》とか色々落ち着いた曲が続いたあと最後に待ち構える《そ・れ・じゃ・ネ》はなんと随一賑やかなファンクナンバー!ここまできて明るく締めるんだ!裏切りじゃないけど、それまでの対比もあって一層新鮮でスカッとした感じが良かった。昨日聴いた『あまぐも』よりも全体的にしっとり落ち着いた上品な雰囲気があって好き。曲数も少ないし。
いまキーボードを打っていてやっぱり思ったけど、ジャンル名を用いて作品を説明しようとするたびに自身の知識の浅さを強く感じる。今回で言えばニューミュージック、シティ・ポップ、AORとか、それぞれのジャンルの代表作挙げて!て言われても全然分かんない。全部のジャンルに疎い。漠然とした感覚で自信の無いラベリングをしている。別に批評家を目指してるわけじゃあない。とはいえ、ある程度客観的な視座は持ち合わせていたいと思う。この話25980898回くらいしてる気がする。ゴメン~~~==3
図書館の本も返してきた。ここ1ヵ月は2冊しか読めなかった。ベルクソン『笑い』とフロイト『不気味なもの』をジリボンが『不気味な笑い』という論考で接続させた3点セットの本を一つ、『文藝別冊キング・クリムゾン』というKing Crimsonの色んなレビュー解説がまとめられた本を一つ。どちらも大収穫だったのでヨシ。
あと、BMTHに関するとある記事から、日本の初期ラウドロックシーンで活躍していたFACTの影響を受けていたということを知って、彼らのセルフタイトル作を聴いた。ポップで勢いもしっかりあって良かった。一番好きな曲は《reborn》。Metallica《Through The Never》みたいな直球リフからタッピングフレーズまでバッチリ決まっている。坂本龍一《戦場のメリークリスマス》のオリジナル歌詞付き(!?)謎カバーも衝撃的だった。このついでにFACTだけでなくその周辺も聴いておこうと思う。
新譜のチェック、話題になっているCharli XCX『Brat』も聴いた。これに関しては何がそこまで凄いのか全然理解できなかった。ただ真っ直ぐなテクノ、ダンス・ミュージックだなあという印象。ネットを眺めてみると、RYMでレーティング平均3.9の高得点をたたき出すくらいには傑作らしい。有名なレビュワー・Anthony Fantanoが10点満点を付けているほどの傑作らしい。彼はあんなに素晴らしいMeshuggahの8thに対して評価するにも値しない駄作=「NOT GOOD」の評価を下していたので一切信頼していないが。だとしても10点満点に至る理由については説明しているはずなので、理解の手掛かりになる可能性も考慮して彼の動画はあとで観ておくことにしよう。若者としてハイパーポップの勉強は必要屋根!マスト屋根!
ねう