昨日と今日に聴いた大体の音楽のまとめ。
- Ginuwine『Ginuwine...The Bachelor』
ヒップホップ~R&Bで有名なプロデューサー・Timbalandのウィキにて、彼がキャリア初期に手掛けた作品の筆頭としてAaliyahの2nd『One in a Million』と同列に言及されていたから聴いた。作風は『One in a Million』よりもヒップホップ寄りで、キックとスネアのリズムが大人しかった(アウトロで唐突に変則的になる場合が何度かあって、その意図はよく分からなかった)。トラップにも通ずるチキチキハイハッチョは頻繁に使われているが、トラップに慣れた私たちにとってはあまり新鮮さを感じるものではないのではと思った。あと、ボーカルの音域がジャケットのセルフィから想像してたのよりも全然高くてビックリした。
- The Scratch Orchestra『The Great Learning』
イギリス前衛音楽の雄・Cornelius Cardewによる即興実験ユニットの作品。何かしらのタイミングでウィッシュリストに登録していたので消化。パーカッシヴで原始的な「動」の《Paragraph 2》と声楽ドローンで幻想的な「静」の《Paragraph 7》といった対比が面白い。特に後者はめちゃんこ良い。
- Ulver『Locusts』
ノルウェーのバンド。「ウルヴァー」かと思ってたけど「ウルヴェル」なんだ。私はトリップ・ホップという言葉を知るずっと前に、彼らの5th『Perdition City』を聴いていたらしい。しかしどんな感触だったのかは大して覚えていない。それでも、新譜を通りすがりに聴いて、ここまでコテコテで面白みのない歌モノをやってはいなかったとは思う。元々が面白くないのでオマケのAutechreリミックスでさえ空回りしている。とはいえ、三枚目まではブラックメタルをやっていたということなので、聴いておきたい。…ここまで書いて、『Locust』はサブスクの仕様でアルバムとされているだけで実際にはEPだったことが分かった。*1まあいいや。
- Jamie xx『In Waves』
イギリスのハウス系DJによる2ndフル。硬派なFloating Pointsよりこっちの気分。客演も絡めて手数が多い。《Baddy on the Floor》はブラスネタの置き方がモロDaft Punkで笑顔になる。たまに声がデカいと感じること以外は良い。
- 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール『天使乃恥部』
これまでに幾度も菊地氏の文章や動画を参考にさせていただいている身でありながら、ペペ・トルメント・アスカラール関連の作品は初めて聴いた。イントロの《闘争のエチカの歌》から上品なアンサンブルに惹き込まれる。ラテンなグルーヴに5連符と6連符の間を揺れながらパワフルに畳みかける不穏なストリングス、そして色気のあるボーカルが甘美に混ざりあう。目まぐるしくもポップで愉快な《アンリ・ルフェーブル》、重厚な高速7拍子が楽しめるMassacreのカバー《キリング・タイム》、聴きやすい歌モノの《色悪》、最後に「おっ!」という歌詞が飛んでくる《天使乃恥部》まで全部楽しい。
- Napalm Death『Harmony Corruption』
アメリカの有名なグラインドコアバンドの3rd。なんか聴きたくなった。前作までの一曲一曲が速くて短い高密度スタイルから一転。リフ主体のソングライティングとスローなパート、全体的にデスメタル成分を多く含んだ、割と理性的な11曲40分。音質は聴きやすいのか聴きにくいのかよくわからない。モコモコしているけどモダン寄りで綺麗か。Napalm Deathは最近も結構面白いことをやっていると聞いたので、追いつきたい。