おはようございます。
新しく聴いたアルバムは116枚(旧譜80:新譜36)。再生時間は7,810分。特筆すべきことは無い。無いよ~。
ワッツイズ軸
1月の軸は、太い順に
でした。
再生時間ランキング
軽く!

1月の再生時間トップ10アーティスト(Stats.fm)
1位はディソナント・デスのオリジネーター・Gorguts。一昨年の11月に乱数によって『From Wisdom to Hate』に出会い、金字塔『Obscura』は去年の6月に初めて聴いた。当時は自分にはあまり縁のない類の音楽かなあと思っていたが、ここらでようやく彼らに近づいてきたので、その偉大さを知るためにもしっかり聴くことにした。とりあえず出ているアルバムは全部聴いた。オールドスクールな1st『Considered Dead』、アクセントの位置が複雑化して若干テクニカルになった2nd『The Erosion of Sanity』ときて、3rd『Obscura』では突如として妖怪じみた弾力性が備わっている。時系列順に聴くと、その飛躍ぶりにより困惑せざるを得ない。本来なら2ndと3rdの間に二枚くらい過渡期の作品があってもおかしくない。3rdを先どった音は無くはないけど(《Condemned to Obscurity》)、うーん、不思議だ。次の4th『From Wisdom to Hate』ではプロダクションがモダナイズされ構造も比較的シンプルになったことで聴き易くなった。5th『Colored Sands』とEP『Pleiades' Dust』になるとスラッジの感じが出てきて、ここでようやくUlcerateとGorgutsの共通点が見えてきた。なるほど。ディスコグラフィを通して、まずは表面的なところだけわかった。ここから聴き進めていきたい。
先月に引き続きランクインしたCharlie Parkerは2位。『The Complete Live Performances on Savoy』を中心に聴いた(Disc 4のうち現在Disc 2)。まず、音質が非常に悪いので、ドラムとピアノが認識できるまで音量を上げて聴かなければ十分に楽しめないということが分かった。作業用レベルまで音を下げるとサックスとトランペットしか聴こえなくなっちゃう。これ結構大事!。それで、肝心なバードの良さについては、未だ言語化できるほど身体で理解できていない。クー。コピーしたらわかるかな。
3位のMax RoachもCharlie Parkerカルテットの一員としてかなり聴いてきた。『Jazz at Massey Hall』からSonny Rollins『Saxophone Colossus』。あとは、オール打楽器で演奏される異色のアヴァンギャルド・ジャズ『M'Boom』と、公民権運動時代にアフリカン・アメリカンとしてのルーツを色濃く押し出した『We Insist!』のリーダー作二枚(こっちはそこまで面白くなかった)。
4位はオリヴィエ・メシアン。私がこれまでに聴いたことがあったのは『4つのリズムの練習曲』や『クロノクロミー』といった複雑なものばかりだったので、調性の傾向が強い時代の作品を聴いてみることにした。
まず一つはピアノ独奏『幼子イエスに注ぐ20の眼差し』。確かに調性的。⑩や⑮では明確な全音階の骨組みが存在する上でカラフルな不協和音がぱらぱら散らばっているし、⑲なんかはトライアドの主和音を基調にしている。作品全体にみられる幻想的なハーモニーや霧のようなアルペジオは多大な影響を受けたというドビュッシー由来か。無調寄りな部分は第二次ウィーン学派の感じもあるけど、彼らよりかは規則的というか反復的で、フレーズの切れ目も分かりやすい。複雑怪奇な『クロノクロミー』を聴いた後なので、大胆にユニゾン使ってデデーンとかホモリズムとかやるんだ、て思った。リズムでいうと、⑯のシンメトリックに伸縮するイントロ/アウトロの低音と『トワイライト・ゾーン』風リフも良かった。
もう一つはオーケストラ『トゥーランガリラ交響曲』。こちらも比較的調性的で(⑥では『幼子イエス』に似て不協和音で全音階をぼかす手法が使われている)ホモリズミックなため聴きやすいが、②とか④は静と動の切り替えがクドい。⑤とかはカートゥーンアニメで流れてても違和感のないハツラツさがあるが、これもクドい。意図を持ってしつこく反復しているのだろうか?気になる。ほかには、⑧のリズミカルなアプローチはストラヴィンスキー『春の祭典』以降って感じがすごいあった。
5位はカナディアン・スラッシュの雄・Voivod。s.h.i.氏がたびたび名前を挙げていたこともあり以前から気になっていたバンドで、こちらもGorgutsと同じく音楽性の変遷が興味深い。1st『War and Pain』ではMotörheadの香りも感じるパンキッシュなスラッシュをやっているのだが、3rd『Killing Technology』になるとアンサンブルはタイトに、音使いはKing Crimson的なもの(dimコードやホールトーンスケールによるフレージング、トライトーンのハモリ)まで広がり、さらにはプログレッシヴな展開まで備えたテクニカル・スラッシュへと大変身。これらに加えてレーベル移行に伴いプロダクションが爆改善しており、クオリティが底上げされている。私は今のところこの3rdが一番好き。
ここからはさらにプログレに寄っていく。4th『Dimension Hatröss』ではスラッシュ要素が減退、以前はルーズな吐き捨てタイプだったボーカルさえリフに追従する形で真面目に歌うようになり、いい意味でも悪い意味でもアクが抜けたサウンドに。5th『Nothingface』になると遂にスラッシュどころかメタル要素も減退!1曲目からなんかELPみたいな雰囲気あるし、Pink Floydのカバーしてるし、太陽と戦慄pt2ぽいパートもあるし。どプログレ。ボーカルのアクが完全に消えてニュートラルなテンション感になったのは個人的にはビミョい。楽しくはある。これは「プログレ期三部作」の第一作目らしいので、あと二つも聴いてみたい。
6位はヤニス・クセナキス。本人監修の『Electro-Acoustic Music』と歯ぎしりオーケストラ《Persepolis》、あと低ビットレート溺れノイズ《La Légende D'Eer》を聴いた。よくわからんけど楽しい。
7位はJohn Coltrane。『Ascension』と『Love Supreme』を聴いたが、まだ後者の良さを分かり切れていない。感受性が摩耗している?
8位はBUCK-TICK。最新作『スブロサ』を聴いてピンと来なかったので、過去作を聴くことにした。折角ミリしらなのでここは最初から。1st『Hurry Up Mode』から。陽気なビートロックだが、捻りゼロで風通しがよすぎるコード進行、ルートをなぞったりリードとユニゾンしたりする安直なメロディ、冗長な展開といった点で、作曲が非常にダサい。特にリードシングルの《Romanesque》のサビ最後〈さかなでる〉のメロは、ダサさの天井を突破している。しかし、各パートの個性は際立っていて、アンサンブルの面白さだけ若干ある。あと、故・櫻井敦司の歌唱も初めて聴いた。想像してたよりも声が高くてヤンチャな感じだけど、1stだからか、と勝手に納得。続けて翌年にリリースされた1stシングル《JUST ONE MORE KISS》を聴くと、予想通り?色気のある落ち着いたスタイルになっていた。2ndシングル《悪の華》になるとゴス要素が高まってきたので、それ以降の4th『悪の華』5th『狂った太陽』も聴いた。流石に1stと比べるとソングライティングのレベルが数段アップしているものの、まだ掴み切れない。ダブっぽい音響処理とか、アラビアンな音使いを味変で入れるとか、ノイジーなギタープレイとか、The Stone Rosesの影響なのか一曲目にバギーを置いてるとか、局所的に好きなポイントはあっても、まだビビッと来るものはない。《My Funny Valentine》と《Jupiter》が人気曲なのもよくわからない。苦手なのかもしれない。わからない。わからないから次はとりあえず『Darker Than Darkness』『Six / Nine』を聴く。
9位はノルウェー発アヴァンギャルド・ブラックメタル・バンドのDødheimsgard。どこかでEP『Satanic Art』が凄いらしいという文章を見つけて聴いてみたら、凄かった(正確に言えば収録時間の半分を占める2曲目の《Traces of Reality》が凄い)。その翌年に出た『666 International』では、打ち込みドラムによってインダストリアル的またはトリップ・ホップ的なノリがブラックメタルと融合していてこれまた凄い。カッチョ委員です。Oranssi Pazuzuの先駆か。
ラスト、10位はSumac。来日ライヴに向けての予習。
グッド新譜
- Ethel Cain『Perverts』4.0
- Ghais Guevara『Goyard Ibn Said』3.5
- FKA twigs『Eusexua』3.5
- MIKE『Showbiz!』3.5
- Maranata『Ugly Euphoria』3.5
- 神聖かまってちゃん『団地テーゼ』3.5-
- moribet『So, Ho Hum』3.0+
- XOXO EXTREME『Forgotten Capital』3.0+
- Developer + Flesh Shuddering『Fleshdeveloper』3.0+
- Harri Kuusijärvi『Aallot』3.0+
- 小袋成彬『Zatto』3.0+
- Will Mason Quartet『Hemlocks, Peacocks』3.0
- Central Cee『Can’t Rush Greatness』3.0
- Ela Minus『Día』3.0
- CKRAFT『Uncommon Grounds』3.0
- Pale『Our Heart in Your Heaven』3.0
- 龢wo4『MANNAKA』3.0
- Ale Hop & Titi Bakorta『Mapambazuko』3.0
グッド旧譜
メタル
- Death『Leprosy』
- Katatonia『Dance of December Souls』
- Incantation『Diabolical Conquest』
- Burzum『Hvis lyset tar oss』
- Voivod『Killing Technology』
- Dødheimsgard『Satanic Art』『666 International』
- Bolt Thrower『Realm of Chaos』
- Isis『Panopticon』
- Portal『Outre』
ジャズ
- Art Tatum『Piano Starts Here』
- Pete La Roca『Basra』
- Sonny Rollins『A Night at the Village Vanguard』
- Pharoah Sanders『Karma』
- Cecil Taylor『Live at the Cafe Montmartre』
伝統音楽
- Nusrat Fateh Ali Khan『Shahen-Shah』
- Gamelan Orchestra of the Yogyakarta Royal Palace『Yogyakarta: Gamelan of the Kraton』
- Various Artists『Golden Rain』
- Idjah Hadidjah『Tonggeret』
- Olatunji!『Drums of Passion』
それ以外
- Captain Beefheart & His Magic Band『Trout Mask Replica』
- Aphex Twin『Richard D. James Album』
- Bon Iver『For Emma, Forever Ago』
- Frank Ocean『Blonde』
- Flying Lotus『Cosmogramma』
- Descendents『Milo Goes to College』
- Crass『The Feeding of the Five Thousand』
- MC5『Kick Out the Jams』
- Grateful Dead『Europe '72』
- Die Kreuzen『Die Kreuzen』
- Swans『Children of God』
- Tangerine Dream『Electronic Meditation』
- なぞらない『Nazoranai』
- Terry Riley『In C』
- William Basinski『The Disintegration Loops』
- C.C.C.C.『Amplified Crystal』
- Prurient『Frozen Niagara Falls』
- Xenakis『Persepolis』
- Borbetomagus & 非常階段『Both Noises End Burning』
今月のわからん
- G.I.S.M.『Detestation』
「わからん」理由を理解しているので「わからん」ではないけど一応。…演奏はかなりカッコいい。只ならぬ狂気が溢れるボーカル、メロディアスなリード、キレキレのベース、ブレないドラム。統率の取れたアンサンブルでメタル×ハードコアのCOOLな部分を悪魔合体。ただ。ギターが。ラインにディストーションかましてアンプ通さずに録音した感じのrawもrawなギターが、かなりキツい。聴きづらいとかならまだいいけど、キリキリしてて耳が痛くなる。とはいっても、慣れさえすればすぐ気にならなくなるんだとは思う。私にとってこの類の"音質の悪さ"は今回が初めてだったので、記録と言う意味でもここに書いておこう。3月までには慣れてたらいいな。
総括
ぼちぼちでした。月末にようやくs.h.i.氏監修の『現代メタルガイドブック』を購入したので、今後はより深くメタルを掘っていきたいな~。あと、2024年の年間まとめについて:選盤は既に正月辺りで終わったが、そのあとの結びの文章が書けずにいる。このままだと完璧主義の煉獄に閉じ込められてしまうので、テキトーにやる。