なるたけ遠くに逃避計画

THE ULTIMATE ESCAPE PLAN

三種のブラームス聴き比べチャレンジ(やさしい)

 

ブラームスのピアノ交響曲第一番を軽く聴き比べしてみた。三種類の演奏を聴いてやっと構造の20%くらいを理解した。ハッキリ把握しているのは第一楽章のいくつかのパートと、第二楽章の半音階主義ぽいピアノくらい。とりあえず、ここでの比較は一番覚えやくキャッチーだった第一楽章に留めておく。

 

  • Gewandhausorchester, Riccardo Chailly, Nelson Freire(2006)
    初聴。知識ゼロなので、先日読んだ『指揮者は何を考えているか』でおすすめされていたものを素直に聴く。ステレオでかなり音質が良い。残響も程良く、ピアノとオーケストラが自然に溶け込んでいる。低音が強い。管楽器が小さい。ロマン派ってこんな感じなんだなあ。21歳でこれ書いたんだなあ。ひっそりピアノソロで提示される第2主題がめちゃカッコいい!それに、思ってたよりハーモニーが複雑だった。けっこう調飛んでる。とはいえ土台がロマン派なのも分かる。指揮者もソリストも初耳だったけど良い演奏だった。

 

  • New York Philharmonic,  Leonard Bernstein,  Glenn Gould(1962)
    これも先述の本で紹介されていた。高評価はされていないとはいえ、面白くはあるらしい。冒頭、バーンスタインがグールドとのミュージシャンシップについて語り、聴衆に「型破りな(unorthodox)」演奏になることを告げる異例のスピーチがあるが、結局のところそこまで違和感なく綺麗にまとまっていたので拍子抜け。テンポは確かに遅いし、揺れを抑えて全体的に均一な印象を受ける。特に、ピアノの最初の出番は淡々としすぎていて個人的には物足りない。一方で、暴れパートは一番良い。トリルを両手?でダラダラダラ!!とワイルドに演奏しているところ(5:20~)では思わず笑ってしまった。確かに面白い。でも、ラジオ放送のモノラル録音なのが惜しい。あと、デカい咳がぶっ通しで聴こえてくることさえなければ。マジで集中できない!!!!!完全な雑音を無視し、低音域を脳内補完しながら聴かなければいけないので、シンプルに疲れる。

 

  • Chicago Symphony Orchestra, Fritz Reiner, Artur Rubinstein(1954)
    弦は綺麗だけど最初のゲヴァントハウスよりは迫力に欠ける。逆に木管はミキシングの関係か分かんないけど前に出てて良い。テンポはやや遅い。アルトゥール・ルービンシュタインのピアノは、ステレオかつデッド気味で音の分離がハッキリとしているからか、グールドのテンポより速いにしても倚音の不協和感が気になってしまう。10:32~上二者とは異なり、ペダル無しのスタッカートで駆け上がる。この解釈は好き!

 

たぶん、10種類くらい聴かないと比較はおろか曲構成の把握すら出来ないのでは?奥深くて実際かなり面白そうだけど、時間もかかりそう。今度カラヤンのピカピカな音でも聴いてみたいと思ったけど、残念ながら録音が無かった。Wikiによると、演奏がムズくてめんどい曲らしい。へー。