なるたけ遠くに逃避計画

THE ULTIMATE ESCAPE PLAN

ヒプホプ風が吹いている?

 

  • 晴れてるけど寒い!やったー

 

  • 大名盤らしいMadvillain『Madvillainy』をやっと聴いた。確かに良い!ほとんどの曲が1~2分の尺で、バースのみのストロングスタイルという構成をとっているのは意外だった。Madlibが手掛けるビートは抜群に汚れていて超カッコいい。Frank ZappaとかSun Raとかサンプリングしてるらしい。なるほど。MF DOOMのラップも聴きやすい上に味わい深い。王道を突き詰めた感じというか。彼のリリック解説をしている動画がちょうど9日前にupされていたので、理解を深めるためにも観ておいた。分析してるのはデビューアルバムの曲だけど、5年経ってもスタイルは特に変わってないっぽい。頭韻(動画では言及されてないけど脚韻も)とか内部韻とかヤバイのは《Rhinestone Cowboy》の冒頭が分かりやすいかも。リリックはスラングまみれとのことで、その都度Geniusでも眺めて咀嚼していきたい。あと、別人格設定がよく分からなかった。同じくヒップホップならEminemSlim Shadyとか、David Bowieみたいにアルバム毎に切り替えるとか、それくらいにしてほしい。一曲に二人以上出てくると非常に混乱する。《Shadows of Tomorrow》ではMadlibすら二重人格でラップしている(こちらは声質を変えているので分かりやすいが)。多い!!!!!

 

  • Tyler, the Creator『Igor』も聴いた。ヒップホップというよりヒップホップ的なソウル。全編に亘ってエフェクト(ピッチシフト、ディストーション、ボーカルチョップ)を多用し、分裂的で捉えどころのない音像に仕上がっている。楽曲の明確な芯であるラップがなくなり、代わりに歌が入ってきたかと思うとその輪郭すら曖昧で、結局どこに焦点を合わせればいいのか分からない。こういう時は被写界深度を深くするんじゃああ⇒ダメでした。なんかイマイチはまらない。音響がボヤけている割にメロディの主張が強くて、ボヤけの快楽が阻まれているような気がする。そこは狙いに行くんだ、みたいな。少しばかり興を削がれる。今のところ『Call Me If You Get Lost』の方が良いと思う。