- Mala『Mala in Cuba』(2012)
初期ダブステップのリリースを調べてたら面白そうなものがあったので聴いた。重低音の効いた仄暗いダブステップ~グライムを基礎に、キューバ現地で録音された*1打楽器の演奏をその伝統とは切断された自由な形で配置。ダブらしい残響エフェクトをしっかりかけて作った起伏に富んだ展開を、分離感の良い音響で十分に聴かせ、躍らせる。時折登場するピアノは最低限のリフ/ハーモニーを担当し、ダウンテンポ寄りのジャジーな?チル感を演出することがほとんどで、キューバっぽいアプローチをとるのは三曲くらいである。なかにはギター(トレス?)やボーカルをフィーチャーした伝統的なキューバ音楽に近い楽曲も含まれているが、全体的にはそこまでキューバキューバしていない。別に私は伝統主義者とかではないので、普通に楽しめた。
- Havana Mood『Havana Mood』(1999)
RYMで「Dub」「Cuban Music」のAND検索をしたら出てきたアルバム。その内容はBill Laswellがソンの代表的バンドSepteto Nacionalの演奏をダブワイズするという、〈American Clavé〉の活動とも重なるようなNY前衛多文化音楽プロジェクトになっている。97年にBuena Vista Social Clubがヒットした潮流も受けていそうだ。当然Septeto Nacionalはダブを前提としたアンサンブルではないので、出来上がる音響は(どちらかというと)例えばAdrian Sherwoodや彼が手掛けるAfrican Head Chargeのようなマキシマリズムの方向を向く。細かく刻まれる複雑なリズムがディレイ処理を経てエアー感を増幅させ、まだら模様のように有機的な騒めきを形作っていく心地よさ。入力がデッドかつ表拍に重心を乗せたリズム隊が存在するスカ~レゲエとは対照的である(ダブワイズという割にベースもそこまで強調されていない)。基本的なエフェクトはシンプルなディレイ/リバーヴと楽器の抜き差しに留まり、モジュレーションの具合もオリジナルの雰囲気を壊さずに活かす範囲で使われていてちょうどいい。次はもっと大音量で聴こう。
- Bill LaswellがHavana Moodと同年に出した『Imaginary Cuba』も同様のクロスオーバーがみられるらしい。今度きこ。